八頭(やつがしら)の漢字と意味は?里芋との違い・栄養・選び方・保存方法も解説

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八頭の読み方は 「やつがしら」、漢字では 「八頭」 と書きます。里芋の仲間ですが、親芋のまわりに子芋がまとまって付く姿が特徴で、名前も「頭(かしら)がいくつもあるように見える」ことに由来するといわれます。

「八頭とは何?」「里芋とどう違う?」「冷凍保存できる?」――年末やおせちの時期に、ここでつまずく人が多い食材です。
この記事では、八頭(やつがしら)の意味・特徴を整理したうえで、里芋との違い、選び方(目利き)、保存方法(冷凍のコツ)、栄養、食べ方まで、現役和食調理師の視点でわかりやすく解説します。もっと野菜の漢字を知りたい方はコチラをご覧ください▶野菜・果物の漢字一覧表190種|50音順で探しやすい

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八頭(やつがしら)の漢字・読み方・意味

やつがしらの漢字表記
漢字表記は八頭です。八頭(やつがしら)は里芋の仲間で、親芋のまわりに子芋が密着して付くのが特徴です。名前の「八頭」は「頭(かしら)がたくさんあるように見える」姿から来たとされ、“八つある”は「たくさん」のたとえとして用いられることが多いです。

やつがしらの英語表記
(ローマ字)でyatsugashira
と書きます
ただし英語圏では固有名として知られていないことが多く、説明するときはtaro root(タロイモの根)/Japanese taro(日本のタロイモ)のように “里芋(taro)の一種” として伝えるのが一般的です。

※八頭は里芋の一種ですが、親芋と子芋がまとまっていて丸ごと扱いやすいなどの特徴があります。違いは次の「八頭と里芋の違い」で詳しく解説します。

野菜・果物の漢字一覧表190種|50音順で探しやすい – japanese-food.net
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「食材の英語を知りたい。漢字やひらがなも一緒に確認できる一覧があれば便利!」ということで検索機能付き一覧表を作成しました
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八頭(やつがしら)の旬 ~おいしい時期~

やつがしら

八頭(やつがしら)の旬は晩秋から冬(10月〜2月)にかけてです。
特にお正月料理に欠かせない縁起物として扱われることから、年末年始の時期が最も需要が高まる時期でもあります。気温が下がる晩秋から収穫が始まり、寒さとともに旨みとホクホク感が増していきます。煮崩れしにくいため、おせち料理の煮しめや煮物に最適です。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

八頭は「頭が出る=出世」の意味を込めて、お正月に食べられることが多い縁起物。柔らかすぎず煮崩れにくいので、煮しめに入れると見栄えも良く、味もしっかり入ります。

八頭(やつがしら)とは ~解説~

八頭 やつがしら(Yatsugashira)

八頭(やつがしら)は、サトイモ(里芋)の一種で、「親芋と子芋がたくさんつく」特徴を持つことから「八つの頭=八頭」と呼ばれるようになりました。主に関東地方を中心に栽培されており、煮物などに重宝される和食の定番野菜です。

通常の里芋とは異なり、親芋が大きく食用になるため、親芋も子芋も一緒に調理できます。ホクホクした食感で粘りは少なく、しっかりした歯ごたえが特徴です。

八頭と里芋の違いは?

結論から言うと、八頭(やつがしら)は里芋の一種です。
ただし一般的に「里芋」として売られている品種とは、芋の付き方・形・食感・料理の向きが少し違います。

比較ポイント八頭(やつがしら)里芋(一般的な里芋)
分類里芋の仲間(品種群)里芋の仲間(品種多数)
芋の付き方親芋の周りに子芋が密着してまとまる親芋+子芋だが、品種や売り方でばらつく
見た目ゴツゴツして“塊”っぽい/段ができやすいころんと丸いものが多い
食感ねっとり・ほくほくが出やすい(加熱で粘りが出る)ねっとり〜ほくほくまで品種差が大きい
煮崩れ比較的崩れにくい(料理で形が残りやすい)品種・切り方・火加減で崩れやすいことも
向いている料理煮物、おせち、含め煮、田楽、コロッケ系にも煮っころがし、汁物、揚げ物など幅広い
価格・時期年末〜正月に需要が増えやすい通年流通しやすい(旬は秋〜冬)
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現役和食調理師のヒント

「ねばり」を求める料理には不向きですが、八頭は煮物にしても形が崩れにくく、味が染みやすいため、おせち料理やお祝い膳に向いています。


八頭がおせちに使われる理由(短文で濃く)

八頭(やつがしら)は、おせちでよく使われる里芋の仲間です。
親芋のまわりに子芋が密着して付く姿から、「頭(かしら)がいくつもある=子孫繁栄」「家が栄える」といった縁起を担ぐ食材として扱われてきました。さらに、煮含めても形が崩れにくく、祝い膳で見た目が整いやすいのも、おせち向きと言われる理由です。

八頭の保存方法

八頭は水分を多く含むため、湿気や乾燥に弱く、適切な保存が大切です。以下のポイントを参考に、鮮度を保ちましょう。

常温保存(短期)
保存期間の目安:3〜5日程度
新聞紙などに包み、風通しのよい冷暗所に置く
芽が出やすいため、できるだけ早めに使い切りましょう

冷蔵保存(1週間以内)
泥つきのまま新聞紙に包み、ポリ袋に入れて野菜室へ
泥を落とすと傷みやすくなるため、使う直前まで洗わないのがポイントです

冷凍保存(保存期間目安:1か月)
皮をむき、下ゆでしてから冷凍保存すると、調理しやすくなります
小分けにしてラップし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ

八頭(やつがしら)の冷凍保存

結論から言うと、八頭は 生のまま冷凍すると食感が落ちやすいため、基本は 下ゆで(または蒸し)してから冷凍がおすすめです。いちばん失敗しにくいのは「皮をむく→下ゆで→水気を切る→小分け冷凍」の流れです。

冷凍前の準備(下処理)

  1. 皮をむき、食べやすい大きさに切る(または丸ごとでもOK)
  2. 変色防止に水にさらす(短時間でOK)
  3. 下ゆで:串がスッと入る手前(“少し芯が残る”くらい)で止める
  4. ザルにあげてしっかり冷まし、表面の水気をよく切る

冷凍のやり方(小分けが正解)

  1. 1回で使う量ずつラップで包む
  2. 冷凍用保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍
  3. 平らにして凍らせると、解凍ムラが減って使いやすい

保存期間の目安
冷凍保存は 約1か月を目安に、早めに使い切ると風味が落ちにくいです。


解凍のコツ

  • 煮物・汁物:凍ったまま鍋に入れてOK(自然解凍しない方が崩れにくい)
  • 炒め物・焼き:解凍してから使うより、軽くレンジで温めて“半解凍”で使うと水っぽくなりにくい
  • 解凍後に水分が出たら、キッチンペーパーで軽く押さえる

よくある失敗と対策

  • 失敗①:生のまま冷凍してスポンジ食感に
    → 下ゆでしてから冷凍が基本
  • 失敗②:水気を切らずに冷凍して霜だらけ
    → 冷凍前にしっかり水気を切る
  • 失敗③:解凍してから煮て崩れる
    → 煮物は凍ったまま投入が安定
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現役和食調理師のヒント

下処理してから冷凍すると、煮物や汁物にすぐ使えて便利。ただし、食感は多少やわらかくなりますので、煮崩れに注意してください。

八頭の品種群|主な品種と特徴

八頭(やつがしら)は、サトイモの一種で、親芋と子芋が密着して肥大化するのが特徴です。地域によって異なる呼び名や品種があり、風味や用途にも違いがあります。

主な品種・系統

品種名特徴
八つ頭(やつがしら)親芋と子芋が一体となって大きく育つ。煮崩れしにくく、粘りがある
京いも関西で栽培される大きな品種。八頭に似ているが、やや味があっさり
唐の芋(とうのいも)主に島根県などで栽培。八頭系で、やや小ぶり。粘りが強い

※「八頭」と「八つ頭」は混同されがちですが、どちらも同様の特徴を持つサトイモ類で、地域によって呼び方が異なります。

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現役和食調理師のヒント

「八頭」はお正月料理に欠かせない煮しめなどで重宝されます。煮込んでも煮崩れしにくく、見栄えもよいため、お祝いの席に向いています。

八頭を使った料理

八頭(やつがしら)は粘りとホクホク感を併せ持つ食材で、煮崩れしにくいため、煮物をはじめとした和食でよく使われます。とくに縁起物としておせち料理に登場することが多いのが特徴です。

八頭を使った代表的な料理

料理名説明
八頭の含め煮だしと醤油でじっくり煮て味を含ませる。おせち料理の定番。
八頭の煮しめにんじん・れんこん・こんにゃくなどと一緒に煮る、正月や祝い事の定番料理。
八頭の揚げ煮下ゆでした八頭を素揚げし、だし醤油に浸す。表面は香ばしく、中はホクホク。
八頭のそぼろあんかけ茹でた八頭に鶏そぼろ入りのあんをかける、子どもにも人気の一品。

ポイント

  • 味がしみやすいよう下茹でをしてから煮るのがコツ。
  • 包丁で切ると粘りが出るため、手で割ると煮崩れを防ぎやすい
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現役和食調理師のヒント

「八頭」は食卓に縁起を込める料理として重宝されます。私は、おせちの煮しめには毎年欠かさず使っています。味を含ませるには弱火でゆっくり煮るのがポイントです。

八頭(やつがしら)の栄養素 ~食品成分表~

八頭(やつがしら)は主にでんぷんを多く含むイモ類であり、腹持ちの良い食材です。ムチンやガラクタンといった水溶性食物繊維が含まれ、胃腸へのやさしさでも知られています。

栄養のポイント

  • カリウムが豊富(640mg):塩分の排出を助け、高血圧予防にも。
  • 水溶性食物繊維を含む:ぬめり成分が整腸作用に期待。
  • 低脂質・低カロリー:煮物にしてもヘルシー。

やつがしら(水煮)球茎
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー92
水分75.6g
タンパク質2.7g
脂質0.6g
食物繊維(総量)2.8g
炭水化物20.0g
ナトリウム1
カリウム520
カルシウム34
マグネシウム39
リン56
0.6
亜鉛1.3
0.21
マンガン1.25
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.1
ビタミンK
ビタミンB10.11
ビタミンB20.04
ナイアシン0.5
ビタミンB60.17
ビタミンB12
葉酸30
パントテン酸0.49
ビオチン2.6
ビタミンC5
出典「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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