やさしい味わいと彩りの美しさが魅力の「青梗菜と卵のスープ」。
中華の定番スープですが、家庭で作ると
「卵が濁る」
「青梗菜が硬い」
「味がぼやける」
などの失敗も多い一品です。
本記事では、現役和食調理師が教える“火の入れ順と温度管理”を中心に、だしの取り方から卵をふんわり仕上げるコツまで丁寧に解説します。忙しい朝や夕食の副菜にもおすすめの、やさしい中華スープです。
よくある失敗と原因
- 卵が濁る → スープが沸騰したまま卵を入れている
- 青梗菜が硬い → 火入れの順番が逆(茎と葉を同時に入れている)
- 味がぼやける → 鶏がらスープの濃度を見ずに調味料を入れている
- とろみがダマになる → 片栗粉を入れる温度が高すぎる
- 野菜の色が悪くなる → 煮すぎ、または塩が足りない
材料(2〜3人分)
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 青梗菜 | 1株 | メイン野菜。シャキッと感を残す |
| 卵 | 1個 | とろみの中にふんわり浮かぶ主役 |
| えのきだけ | 1/2袋 | 旨みと食感をプラス |
| 人参 | 1/3本 | 彩りと甘み |
| 水溶き片栗粉 | 水2:片栗粉1 | とろみづけ。卵を美しく仕上げる |
調味料
下処理(プロの判断基準)
- 青梗菜は「葉」と「茎」に分ける(火の通りを揃える)
- えのきは根元を落として3cm程度に切る
- 人参は3cmの千切り(またはいちょう切り)にする
→ 食感をそろえると、見た目も美しい

現役和食調理師のヒント
切りそろえは“味の一体感”を作る基本。
見た目だけでなく、舌触りも均一になります。
作り方
① スープを作る
鍋に鶏がらスープを入れ、中火にかける。
ひと煮立ちしたら味見をして、薄口醤油・酒・塩で味を整える。
→ 「少し薄いかな?」くらいでOK(後で卵ととろみで味が濃く感じる)。
② 野菜を入れる
まず人参→青梗菜の茎の順に入れ、1〜2分ほど煮る。
→ 人参が少し柔らかくなり、青梗菜の茎が鮮やかな緑になったら次へ。
③ とろみをつける
火を弱め、水溶き片栗粉を2〜3回に分けて回し入れる。
→ 鍋底をヘラでなぞって“とろり”としたらOK。
④ 残りの具材を加える
青梗菜の葉とえのきを加え、軽く混ぜる。
30秒ほど煮て火を止める直前に溶き卵を細く流し入れる。
→ スープ表面が“静かに波打つ”くらいの火加減が理想。
(強火で入れると卵がバラける)
⑤ 仕上げ
卵がふんわり固まったら、火を止めて軽く混ぜる。
器に盛り、お好みでごま油を数滴たらすと香りが引き立つ。
失敗しない3つのコツ
- 固い野菜から順に入れる(火通りを均一に)
- 水溶き片栗粉→卵の順で入れる(卵がふんわり仕上がる)
- スープをグラグラ沸騰させない(濁り防止)
保存方法
- 冷蔵保存:密閉容器で1日以内(温め直すときは弱火で)。
- 冷凍保存:不可(卵が分離し食感が劣化するため)。
- リメイク:ご飯を加えて“中華雑炊”にも。
相性の良い料理・献立
- 主菜:酢豚、鶏の唐揚げ、麻婆豆腐
- 副菜:春巻き、ザーサイ和え
- ご飯:中華粥、白ごはん
旬と豆知識
青梗菜の旬は冬〜春(11〜3月)。
βカロテン・カルシウム・ビタミンCが豊富で、免疫力アップと美肌効果に優れています。
火の通りが早く、スープや炒め物に向く万能野菜です。
現役和食調理師のひと言
青梗菜スープの一番のコツは火の入れ順と温度管理。
とくに卵を入れるタイミングは「とろみがついてから、弱火で静かに」。
これだけで濁らず、ふんわりとした仕上がりになります。
スープの味が整えば、どんな野菜を入れてもバランスの良い一皿になります。
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