い緑色の皮とパリッとした歯ざわりが魅力の「白瓜(しろうり)」は、日本の夏に欠かせないうり科の野菜です。みずみずしく、ほんのり甘みのある果肉は、浅漬けや奈良漬けにぴったり。昔ながらの保存食として、今も家庭の味を支えています。
「白瓜はきゅうりとどう違うの?」
「冷凍しても大丈夫?」
「英語でなんて言うの?」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 白瓜とはどんな野菜か(特徴・味・分類)
- 主な種類と旬の時期
- 漬物・浅漬けに向く理由と調理のコツ
- 冷蔵・冷凍保存の方法
- 英語名 “white gourd” の意味
を、現役和食調理師の視点からわかりやすく解説します。
読めば、今日から白瓜をもっと上手に、おいしく使えるようになります。
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白瓜の旬 ~おいしい時期~
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白瓜の旬は6月〜8月の夏場。特に7月中旬〜8月中旬が出荷量・品質ともにピークです。この時期はスーパーや直売所での流通も多く、家庭でも漬物づくりに活用されます。
旬の時期に採れる白瓜は
「みずみずしく、果肉がやわらかい」
「アクが少なくて漬物に適している」
浅漬けや粕漬けに使うと一段と美味しく仕上がります。
白瓜とは?特徴と歴史

白瓜(しろうり)は、ウリ科キュウリ属(Cucumis sativus var. hardwickii)の果菜類で、形はきゅうりに似ていますが、果皮が薄く白〜淡緑色をしているのが特徴です。
水分が豊富でクセが少なく、青臭さもほとんどありません。果肉はやや硬めで、シャキシャキとした歯ざわりと淡い甘みが持ち味です。熟しても糖度は上がらず、むしろ水っぽくなるため、未熟な果実を収穫して食べるのが一般的です。
日本では古くから親しまれており、奈良時代の文献にも記録が見られます。特に「奈良漬」や「浅漬け」などの漬物に最適で、果肉のしっかりした食感が塩や酒粕との相性を引き立てます。
調理の際は中央の種を取り除くと食感がより良くなります。皮はやや硬めですが、若採りのものはそのまま食べられます。外皮が厚い場合はピーラーで薄くむいて使うと口当たりがなめらかです。

現役和食調理師のヒント
白瓜は「塩もみ」して余分な水分を抜くと、歯ごたえと旨味が際立ちます。浅漬けなら1〜2時間、奈良漬けなら一晩置いて、季節の味をじっくり引き出しましょう。
白瓜の主な種類と品種の違い
白瓜は、うり科キュウリ属の中でも漬物・加工用に特化した系統です。
地域や用途によって多様な品種が存在しますが、主に次の4系統が代表的です。
| 品種名 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 大和三尺 (やまとさんじゃく) | 奈良県原産の在来品種。果実は30cm以上の長形で、果肉が締まりやすく水分が少ない。 | 奈良漬・本漬け用に最適。古くから「奈良漬の定番品種」として使用。 |
| 豊白 (とよしろ) | 東海〜関西地方で広く栽培。果皮はやや淡緑色で果肉がやわらかく、水分が多い。 | 浅漬け・塩もみ・炒め物などに向く。日持ちは短め。 |
| 金太郎白瓜 | やや短形で太めの果実。肉厚で果肉がしっかりしており、漬けても崩れにくい。 | 粕漬け・浅漬け両方に適する。業務用としても流通。 |
品種の分類ポイント
白瓜は、一般的なきゅうりよりも果皮が厚く、水分がやや少ないのが特徴です。品種ごとの違いは、主に次の3点で分類されます。
- 果形の違い:細長いタイプ(奈良漬用)/短く太いタイプ(浅漬け・粕漬け用)
- 果肉の質:やわらかめ(浅漬け向き)/締まりがある(長期漬け込み向き)
- 香り・アクの量:クセが少ないものは浅漬け向き、ややアクがあるものは粕漬けに適する
白瓜と相性の良い食材
| 組み合わせ | 料理例 | 特徴・効果 |
|---|---|---|
| 生姜 | 浅漬け 酢の物 | 生姜の辛味と香りが加わり、夏向けの爽やかな副菜に。防腐効果もあり保存性が高まる。 |
| わかめ | 和え物 味噌汁 | ぬめりのある海藻と歯ざわりの対比が楽しい。ミネラル補給にもおすすめ。 |
| ミョウガ | 甘酢漬け 塩もみ | 香味のアクセントで食欲増進。暑い時期の食卓にぴったり。 |
| 豚肉 | 味噌炒め 煮びたし | 火を通すと柔らかくなり、肉の旨味を吸ってコクが出る。 |
| 梅干し | 梅酢漬け 和え物 | 酸味が白瓜の甘みを引き立て、さっぱりした口当たりに。疲労回復効果も期待。 |

現役和食調理師のヒント
白瓜の浅漬けに「生姜」と「梅」を加えると、香り・酸味・塩味のバランスが絶妙です。下味を付ける際は塩を軽く振って15分置くと水分が抜け、調味料がよく染み込みます。
白瓜の保存方法(冷蔵・冷凍・漬物保存)

白瓜は水分が多いため、乾燥と低温障害を防ぐことが保存のコツです。
状態に合わせて「生」「冷凍」「漬物」で使い分けましょう。
冷蔵保存(生のまま)
- 保存方法:
新聞紙またはキッチンペーパーで全体を包み、
ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室(10℃前後)で保存します。 - 保存期間:3〜5日程度
- 注意点:
冷やしすぎると果肉が透明化して変色する(低温障害)
乾燥に弱いので水分を保持する包装が重要
カット後はラップで密着し、2〜3日以内に使い切ること
冷凍保存(下処理後)
- 向いている料理:炒め物・味噌汁・煮びたしなど加熱調理
- 保存方法:
1️⃣ 種を取り除き、半月または薄切りにする
2️⃣ 塩をふって軽くもみ、水気をしぼる
3️⃣ 1回分ずつ冷凍用保存袋に平らに入れ、空気を抜いて密閉
4️⃣ 冷凍庫で保存 - 保存期間:約2〜3週間
- ポイント:
解凍するとやや柔らかくなるため加熱向き
凍ったまま調理すると水っぽくなりにくい

現役和食調理師のヒント
味噌汁や炒め物に入れる場合は、解凍せずにそのまま加熱するのがベストです。
漬物としての保存(長期保存向け)
| 漬け方 | 保存期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 浅漬け | 冷蔵で2〜3日 | 即席で便利。食感を楽しむなら早めに。 |
| 粕漬け 味噌漬け | 冷蔵で1〜4週間 | 密閉保存で長期化可。風味が増す。 |
| 酢漬け 梅酢漬け | 冷蔵で1か月以上 | 酸味で保存性・抗菌性が高い。色味も鮮やか。 |
白瓜を使った漬物・浅漬けのレシピ例

白瓜の浅漬け(即席タイプ)
材料(2人分)
- 白瓜:1/2本(約150g)
- 塩:小さじ1/2
- 白だし:大さじ1
- しょうが(千切り):少々
- 昆布(あれば):2〜3cm角
作り方
- 白瓜は縦半分に切ってスプーンで種を取り、5mm幅の半月切りにする。
- 塩をふって軽くもみ、5〜10分おいて水分を出す。
- 水気を絞り、白だし・しょうが・昆布と一緒にポリ袋でなじませる。
- 冷蔵庫で15〜30分置けば完成。即席でもしっかり味!

現役和食調理師のヒント
冷蔵で1週間程度は保存可能。柚子やレモン皮を入れて風味を変えるのも◎
白瓜の栄養素 ~食品成分表~
白瓜は、水分が約96%を占める低カロリー野菜で、1本(約200g)食べてもエネルギーは30kcal前後と非常に軽めです。そのため、夏の水分補給や減塩食・ダイエット中の食材としても最適です。
しろうり(生)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 生 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 25 | % |
| エネルギー | 15 | ㎉ |
| 水分 | 95.3 | g |
| タンパク質 | 0.9 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 1.2 | g |
| 炭水化物 | 3.3 | g |
| ナトリウム | 1 | ㎎ |
| カリウム | 220 | ㎎ |
| カルシウム | 35 | ㎎ |
| マグネシウム | 12 | ㎎ |
| リン | 20 | ㎎ |
| 鉄 | 0.2 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.2 | ㎎ |
| 銅 | 0.03 | ㎎ |
| マンガン | 0.05 | ㎎ |
| ヨウ素 | 5 | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | 2 | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 65 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンK | 29 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.03 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.03 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.04 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 39 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.30 | ㎎ |
| ビオチン | 1.3 | ㎍ |
| ビタミンC | 8 | ㎎ |
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白瓜の漢字・英語表記と読み方

| 用途・文脈 | 英語表記 |
|---|---|
| 一般的な料理名 | White cucumber |
| 漬物用瓜 | Pickling melon |
| 植物 学術文献 学名表記 | White gourd (Cucumis sativus var. hardwickii) |
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