真蛸(まだこ)とは?旬・特徴・栄養素まで和食調理師が徹底解説

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真蛸(まだこ)ってどんなタコ?
旬の時期や栄養素はどうなっているの?

そんな疑問に答えるために、この記事では真蛸の特徴や旬、価格の推移、地方名、栄養素(成分表)までわかりやすく解説します。
和食調理師の視点から、美味しい食べ方や選び方のヒントも紹介しますので、真蛸をもっと身近に感じていただけるはずです。

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真蛸(まだこ)とは ~解説~

真蛸(まだこ)は、タコ目マダコ科に属する頭足類の軟体動物です。日本では最も一般的に食べられているタコで、単に「タコ」といえば真蛸を指すことが多いです。

基本情報

  • 漢字表記:「真蛸」
  • 分類:頭足類(マダコ科)
  • 寿命:軟体動物としては比較的長く、約5~7年
  • 大きさ:体長は約60cm、腕は胴体の約3倍の長さ
  • 雌雄差:オスは身が締まり歯ごたえが良く、メスはふっくら柔らかで味が良いとされる

消費と流通
日本人は世界でもっともタコを消費している国民といわれています。市場には「茹でダコ」として流通することが多く、国産の真蛸は高価で香り高いのが特徴。茹で上げると小豆色になり、輸入品はややピンク色で香りは控えめです。

味わい
真蛸はしっかりとした歯ごたえと旨みが特徴。オスは噛み応えがあり、メスは柔らかく上品な味わいで、一般的にはメスの方が好まれます。
真蛸の卵を塩漬けや干した「海藤花(かいとうげ)」は、珍味として知られる伝統食材です。

真蛸(まだこ)の旬

まだこ(瀬戸内)

まだこ(三陸)

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

真蛸によく合う食材

まだこ
食材相性の理由
きゅうりさっぱり感と歯ごたえが蛸の旨味を引き立てる
わかめ海藻の香りと旨味が蛸と調和する
梅干し
梅肉
酸味がタコの旨味を爽やかに引き立てる
しょうが香りが生臭さを消し、味を引き締める
ねぎ
青じそ
香りと爽やかさでバランスが取れる
大根甘みと柔らかさでタコの旨味と調和
じゃがいもほくほく感とタコの食感が好相性
トマト酸味と甘みで地中海風の味わいに
オリーブオイル
にんにく
地中海料理の定番、旨味と香りを強調

バルサミコ酢
酸味で味を引き締める
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

真蛸は食感がしっかりしているので、酸味や香りのある食材と合わせると、重たくならずに食べやすくなります。きゅうりや梅、わかめとの相性はその典型です。

真蛸によく合う調理法一覧表

調理法特徴・相性の理由
刺身
カルパッチョ
歯ごたえや旨味をそのまま楽しめる
酢の物酸味で旨味が引き立ち、さっぱり食べられる
煮物弱火でじっくり煮込むことで柔らかくなる
炊き込みご飯出汁と旨味が米に染み込み、風味豊かに
焼き物香ばしさと弾力を同時に楽しめる
揚げ物衣で包むことで旨味を閉じ込め、食感も良い
炒め物野菜や香味と炒めて香りをプラス
アヒージョオリーブオイルとにんにくで旨味が引き立つ
スープ
出汁が出やすく、他の具材とよくなじむ
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

火を通す場合は「強火で短時間」または「弱火でじっくり」のどちらかを意識すると柔らかく仕上がります。唐揚げや炊き込みご飯など、調理法によって全く違った表情を見せてくれるのも真蛸の魅力です。

地方名

  • いしだこ
  • たこ

目利き

新鮮な真蛸を選ぶには、見た目や質感、香りなどいくつかのポイントがあります。

  • 皮膚の色と模様
     鮮度の良い真蛸は、体表の色が濃く、斑点模様がはっきりしています。全体がくすんで見えるものや色が抜けたようなものは鮮度が落ちています。
  • 吸盤の状態
     透明感があり、しっかりと吸い付く力があるものが良品です。白く濁っていたり、べたついている場合は鮮度が低下しています。
  • 触ったときの弾力
     身がしっかりと締まり、弾力を感じるものを選びましょう。ぐにゃっとしているものは時間が経っている証拠です。
  • 目の透明感
     鮮度の良い個体は目が黒々と澄んでいます。白く濁っていたり曇っているものは避けた方が安心です。
  • 香り
     磯の香りがして爽やかなものが新鮮です。生臭さやアンモニア臭を感じるものは鮮度が落ちています。

鮮度が落ちた真蛸のサイン

  • 色がくすんで白っぽくなる
  • 吸盤が濁り、ベタつく
  • 触ると柔らかく、締まりがない
  • 目が白く濁り、曇っている
  • 生臭さやアンモニア臭がする
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現役和食調理師のヒント

真蛸は時間が経つと急速に鮮度が落ちるので、吸盤の透明感と皮膚の色を必ずチェックします。

真蛸の栄養素 ~食品成分表~

まだこ(皮つき)
可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率015%
エネルギー9170
水分76.281.1g
タンパク質21.716.1g
脂質0.70.9g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.10.2g
ナトリウム230390
カリウム240300
カルシウム1915
マグネシウム5255
リン120160
0.20.6
亜鉛1.81.6
0.430.38
マンガン0.040.03
ヨウ素86
セレン2822
クロム1
モリブデン11
ビタミンA(レチノール)51
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.90.8
ビタミンK
ビタミンB10.030.03
ビタミンB20.050.08
ナイアシン1.92.1
ビタミンB60.070.08
ビタミンB121.21.3
葉酸23
パントテン酸0.170.23
ビオチン5.68.8
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

真蛸は高たんぱく・低脂質に加え、銅・亜鉛・セレンなどのミネラルが魅力。加熱しすぎないのが美味しさと食感の鍵です。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

真蛸の英語表記

漢字表記:真蛸
読み方:まだこ(Madako)
英語表記:Common octopus / Octopus
学名Octopus vulgaris
発音記号:/ˈɒk.tə.pəs/(オクトパス)

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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