南鮪(インドマグロ)とは?旬・特徴・栄養素を調理師が解説

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クロマグロに次ぐ高級マグロとして知られる 南鮪(ミナミマグロ/インドマグロ)
赤身は濃厚で旨味が強く、寿司や刺身では“クロマグロに負けない”と言われるほどの存在感があります。

でも、こんな疑問はありませんか?

ミナミマグロとはどんなマグロ?
赤身やトロの味わいの特徴は?

値段はどのくらいで取引されている?
英語ではどう表記されるの?

このページでは、ミナミマグロの旬や特徴、値段の目安、相性の良い食材、栄養素、英語表記(Southern bluefin tuna) まで、現役和食調理師の視点でわかりやすく解説します。

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現役和食調理師のヒント

南鮪は“赤身の旨さ”で選ばれるマグロです。クロマグロほど脂は強くないので、すっきり濃厚な味を楽しみたい方にはぴったりですよ。

南鮪(ミナミマグロ/インドマグロ)の旬

南半球(インド洋・南大西洋など)に生息する南鮪は、北半球とは季節が逆になるため、日本では春から夏(4月〜9月頃)に最も脂がのる「旬」を迎えます。
特にオーストラリアでは、冬を迎えた南半球の時期に脂がたっぷりのった天然南鮪が漁獲され、日本では6月〜8月頃に空輸されることが多い。

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ミナミマグロは春~夏、特に6〜8月に脂の乗った味を楽しむのがおすすめ。オーストラリアから空輸された “生のまま” で出回る鮮度の高い南鮪は、この時期ならではの贅沢です。

南鮪とは ~特徴と味わい~

南鮪(ミナミマグロ)は、スズキ目サバ科マグロ属に分類される大型魚で、クロマグロに次ぐ高級マグロとして知られています。別名「インドマグロ」とも呼ばれ、日本の市場や寿司屋ではこの名前で出回ることもあります。→クロマグロについてはコチラ

体長は2m前後、体重は200kgを超える個体も確認されており、資源量が少なく漁獲規制の対象にもなっているため、流通量は限られています。

味わいの特徴

  • 赤身
    クロマグロよりも濃厚な旨みを持ち、「赤身の味で選ぶなら南鮪」と言われるほど。酸味とコクのバランスが良く、寿司や刺身で人気があります。
  • トロ(中トロ・大トロ)
    クロマグロに比べると脂の量は控えめですが、そのぶん上品でさっぱりとした口当たり。しつこさがなく食べやすいのが特徴です。
  • 食感
    身はやや柔らかく、水分を含むため、解凍や扱いによって味が左右されやすい魚でもあります。

流通と価値

日本では高級寿司店を中心に使われ、クロマグロよりはやや手頃ですが、それでも高級魚の部類に入ります。天然ものは希少で値段も高く、一般家庭向けには冷凍や養殖の流通が中心です。

クロマグロに比べると脂は控えめですが、赤身は濃厚で旨味が強く、部位によってまったく違う表情を見せてくれます。

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「インドマグロ」という名前で見かけても、それは南鮪のこと。別の魚だと勘違いしないように覚えておくと便利ですよ。

南鮪の目利き(鮮度の見分け方)

チェックポイント良い状態注意すべき状態
身の色赤身が濃く
鮮やかな深紅色
茶色っぽく変色
黒ずみがある
血合い鮮やかでみずみずしいくすんで乾いている
脂の照り中トロ部分に自然な光沢がある白っぽく乾燥、艶がない
ドリップパックに水分が出ていない汁がにじみ出ている
身の締まり指で押すと弾力があり、すぐ戻る柔らかすぎ、押しても戻らない

冷凍ものを選ぶとき

  • 霜が多くついていないものを選ぶ
  • 真空パックで密閉され、色が鮮やかなものが良い
  • 解凍は氷水解凍や低温でゆっくり行うと味が落ちにくい

おかみさんの一言

南鮪は赤身の濃さが魅力。買うときは“赤が濃いかどうか”を目安にすると、外れを引きにくいですよ。

南鮪と相性の良い食材

食材組み合わせの理由
わさび赤身の濃厚さを爽やかな辛味で引き立てる。寿司や刺身の定番。
醤油南鮪の赤身と特に相性抜群。漬けにすると旨味がさらに凝縮。
大葉香りが加わり、赤身をさっぱりと味わえる。巻き物や刺身に◎。
酢飯酸味で赤身の濃さを和らげ、寿司ネタとして最高の組み合わせ。
生姜薬味として臭みを消し、漬け丼やたたきに爽快感をプラス。
にんにくガーリック醤油やステーキにすると赤身の旨味が際立つ。
柚子
すだち
爽やかな酸味が赤身の濃厚さを軽やかにしてくれる。
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南鮪は赤身の旨さで勝負する魚。さっぱり感や香りのある食材を合わせると、最後まで飽きずに楽しめますよ。

南鮪に合う調理法

調理法理由
刺身
寿司
濃厚な赤身の旨味をダイレクトに味わえる。わさび醤油と相性抜群。
漬け醤油やごま油で漬けると旨味が凝縮。漬け丼に最適。
炙り
たたき
表面を軽く炙ることで香ばしさが加わり、赤身の旨さが引き立つ。
ステーキ
ソテー
赤身に熱を入れると旨味が濃縮。にんにく醤油やバターとの相性も良い。
照り焼き甘辛いタレでご飯が進む味わいに。脂控えめな部位にも合う。
煮付け赤身中心のためややパサつきやすい。漬けや炙りの方が適する。

おかみさんの一言

南鮪はやっぱり赤身の刺身や漬けが王道。でも、ステーキや炙りにすると“洋風の顔”も見せてくれるんです。

南鮪の栄養素~食品成分表~

南鮪はクロマグロに比べて脂がやや少なく、高たんぱく・低脂質でヘルシーに楽しめるのが特徴です。特に赤身部分には、疲労回復や代謝に役立つ ビタミンB群(B1・B2・B6・B12) が豊富に含まれています。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸も含まれ、血流改善やコレステロール対策に効果的とされています。さらに、鉄や亜鉛といったミネラルも豊富で、貧血予防や免疫力サポートにも役立ちます。赤身の旨味と栄養価を両立していることから、健康志向の方にも人気が高いマグロです。

ミナミマグロ 生
可食部100gあたり

栄養素脂身赤身単位
廃棄率00%
エネルギー32288
水分50.377.0g
タンパク質20.321.6g
脂質28.30.4g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.10.1g
ナトリウム4443
カリウム280400
カルシウム95
マグネシウム2927
リン210240
0.61.8
亜鉛0.40.4
0.050.04
マンガン0.010.01
ヨウ素385
セレン12073
クロム1
モリブデン
ビタミンA(レチノール)346
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD5.04.0
ビタミンE(トコフェロールα)1.51.0
ビタミンK
ビタミンB10.100.03
ビタミンB20.060.05
ナイアシン11.011.0
ビタミンB61.001.08
ビタミンB121.52.2
葉酸45
パントテン酸0.290.30
ビオチン4.42.2
ビタミンC5
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

南鮪の英語・漢字表記

南鮪は漢字で 「南鮪」 と書きます。日本の市場や寿司店では「ミナミマグロ」と呼ばれるほか、「インドマグロ」 という別名でも広く流通しています。
英語では Southern bluefin tuna(サザン・ブルーフィン・トゥーナ) と表記されます。
発音記号は [ˈsʌðərn ˈbluːfɪn ˈtuːnə] で、日本語カタカナでは「サザン・ブルーフィン・トゥーナ」となります。

👉 「Southern(南の)」+「bluefin tuna(クロマグロ)」という意味で、直訳すると「南のクロマグロ」というニュアンスになります。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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