山葵(わさび)とは?花山葵との違いや旬・保存法まで徹底解説|Japanese horseradish

TOP
TOP » 野菜 » 山葵(わさび)とは?花山葵との違いや旬・保存法まで徹底解説|Japanese horseradish

山葵(わさび)の英語表記|Japanese horseradish の意味と注意点

※本記事には広告が表示されます。

「horseradish」と「wasabi」は別物?
実は英語で「horseradish(ホースラディッシュ)」と言った場合、日本のわさびとは別の植物を指すことが多くあります。

  • horseradish(セイヨウワサビ):アブラナ科の別種で、辛味は強いが香りは異なる
  • wasabi(ワサビ):日本原産の植物で、特有の風味と爽やかな辛味が特徴

山葵(わさび)の旬|根わさびと花山葵で異なる旬の時期

わさび

花わさび

通年で手に入るわさびの代用品

  • 市販のチューブわさびや粉わさびの多くは、ホースラディッシュ(西洋わさび)に緑色の着色料を加えたものです。
  • こうした代用品は一年中手に入りますが、本わさび特有の香りや辛味とは異なります
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

春は「花山葵」、冬は「本わさび」が一番おいしい季節。
旬の根わさびをすりたてでそばに添えるのが特におすすめです。香りが立ち、辛味に奥行きが出ます。

山葵(わさび)とは?本わさびとホースラディッシュの違い

わさび

山葵(わさび)とは、アブラナ科ワサビ属の植物で日本原産の香味野菜です。
ツンとした辛味とさわやかな香りが特徴で、刺身やそば、和食全般に欠かせない薬味として親しまれています。


本わさびとは

  • 主に根茎(ねけい)部分をすりおろして使用します。
  • ピリッとした辛さとともに、鼻に抜けるような清涼感ある香りが特徴。
  • 辛味成分はアリルイソチオシアネートで、すりおろした直後がもっとも香り高くなります。
  • 天然物の本わさびは栽培に時間がかかり、希少で高価です。

ホースラディッシュ(西洋わさび)との違い

比較項目本わさびホースラディッシュ
植物の種類ワサビ属
(Wasabia japonica)
セイヨウワサビ属(Armoracia)
辛味マイルドで上品シャープで刺激的
香り清涼感あり香りは弱め
緑色白色

市販のチューブや粉わさびは、ホースラディッシュに緑の着色料を加えたものが多く、「本わさび」とは風味が異なります。


食用部位の違いにも注目

根わさび(根茎)刺身やそばに使う本わさび
花山葵(若芽や花芽)春の山菜として食され、軽く湯通しして醤油漬けや和え物に

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

すりたての本わさびは、香り・辛味・色すべてが段違い。
鮮魚の甘さを引き立て、料理を格上げしてくれます。

山葵と相性の良い食材・食べ合わせ

山葵(わさび)の爽やかな香りと鼻に抜ける辛味は、さまざまな食材と絶妙にマッチします。料理を引き立てる“薬味以上の存在”として、和洋問わず活躍します。


🐟 魚介類(刺身・寿司)

  • マグロ、サーモン、白身魚、いか、えび
  • わさびの辛味は、魚の脂の甘みや旨みを引き立てる効果があります。
  • 刺身に添える定番ですが、あえて刺身醤油に混ぜず、ネタとシャリの間に直接塗るのが通の食べ方です。

🥩 肉類(特に牛肉・鴨肉)

  • ローストビーフ、ステーキ、鴨のたたき
  • 肉の濃厚な旨みに、すりおろしたわさびが清涼感をプラス
  • 特に脂の多い部位に合わせると、後味がさっぱりします

🍜 麺類(そば・うどん)

  • わさびはざるそば・もりそばの薬味として定番
  • つゆに溶かしすぎず、麺に少しのせて食べると香りが生きる

🧀 チーズや洋風食材

  • 意外にもクリームチーズやカマンベールチーズとも好相性
  • わさびマヨやわさびドレッシングで、カルパッチョやポテトサラダにもアクセントに使えます

🥬 山菜・野菜類

  • 花山葵、菜の花、大根、長いも
  • お浸しや浅漬けにピリッと辛味を効かせると、大人の味わいに
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

「生わさびの香りは熱に弱い」ので、火を入れるより“添える”のが基本。特に、油脂のある料理(肉・魚・チーズ)と合わせると、わさびの風味が活きます

山葵(わさび)の保存方法|風味を保つためのコツ

わさびの保存方法は、使う部位や状態によって異なります
香りや辛味を損なわないために正しい保存が大切です。


本わさび(根わさび)の保存方法

冷蔵保存(数日〜1週間程度)

  • 濡らしたキッチンペーパーで包み、さらにラップや保存袋に入れる
  • 野菜室など5〜10℃の冷温環境で保存
  • 乾燥すると香りと辛味が飛びやすいため、こまめに湿らせることが大切

水に浸けて保存(やや長持ち)

  • 根元を水に浸け、容器ごと冷蔵庫へ
  • 2〜3日に一度水を取り替えることで10日ほど保存可能

冷凍保存(やや風味は落ちる)

  • 丸ごとラップに包み冷凍し、使用時に凍ったままおろす
  • ただし、香りや辛味は多少弱まる

花山葵(はなわさび)の保存方法

  • 購入後はすぐに湯通しして調理するのが基本
  • 使いきれない場合は、しょうゆ漬けや浅漬けにして冷蔵保存すると3〜4日持ちます
  • 新鮮な状態での香りと辛味が魅力なので、できるだけ早めに食べ切るのがおすすめです

チューブわさび・粉わさびの保存方法

  • 冷蔵庫で保管(未開封・開封後ともに)
  • 開封後は、1ヶ月以内を目安に使い切ると風味を保ちやすい
  • 粉わさびは湿気を嫌うため、密閉容器+乾燥剤入りで保存
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

本わさびを長く使うなら「水保存」か「湿らせた布」で包むのがベスト。一度すりおろしたわさびは時間と共に辛味が抜けるので、食べる直前におろすのが鉄則です!

山葵の栄養素(食品成分表)

わさび(生)根茎
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率30%
エネルギー89
水分74.2g
タンパク質5.6g
脂質0.2g
食物繊維(総量)4.4g
炭水化物18.4g
ナトリウム24
カリウム500
カルシウム100
マグネシウム46
リン79
0.8
亜鉛0.7
0.03
マンガン0.14
ヨウ素1
セレン9
クロム1
モリブデン2
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)7
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.4
ビタミンK49
ビタミンB10.06
ビタミンB20.15
ナイアシン0.6
ビタミンB60.32
ビタミンB12
葉酸50
パントテン酸0.20
ビオチン3.5
ビタミンC75
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

関連記事

西洋山葵 ホースラディッシュ(Horseradish)
黒鮪 くろまぐろ(bluefin tuna)

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました