メバチマグロはまずい?特徴・美味しい食べ方・通販のおすすめを調理師が解説

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メバチマグロはまずい?特徴・美味しい食べ方・通販のおすすめを調理師が解説

「メバチマグロってまずいの?」
「水っぽくて味が薄い…」

そんな声は確かにあります。でも結論を先に言うと

——メバチマグロは“調理の仕方次第で化ける魚”です。
メバチは本マグロほど脂がなく、キハダより赤身の旨味が強いのが特徴。ただし、解凍方法や食べ方を間違えると水っぽくなりやすいため、結果として「まずい」と感じてしまう人が多いのです。

この記事では

  • メバチマグロが “まずいと言われる原因”
  • 美味しく食べるための具体的なコツ
  • 本マグロ・キハダとの違い(比較で理解)
  • 失敗しない調理・解凍・味付けのポイント

現役調理師の視点でわかりやすく解説します。
メバチは正しい食べ方ならしっかり美味しい魚。 今日から失敗せず活用できるように、プロのコツをお伝えします。

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メバチマグロは「まずい」と言われる3つの理由

メバチマグロは人気のある赤身魚ですが、食べた人の中には「まずい」「水っぽい」と感じるケースも少なくありません。その原因は、魚そのものの性質よりも “調理・解凍・味の相性” によるところが大きいです。代表的な理由は次の3つです。

水っぽいと感じることがある

メバチマグロは本マグロのような濃厚な脂がないため、比較的あっさりとしています。とはいえ、腹身の部分には脂がのっています。そのため「旨味が薄い=水っぽい」と感じてしまう人もいます。特に刺身で食べたとき、濃厚な味を好む人には物足りなく映ることがあります。

脂が少なく、淡泊すぎると感じる人も

マグロの美味しさの指標とされる「脂の甘み」は本マグロや南マグロに比べると控えめ。
そのため「味が淡泊で、魚らしさに欠ける」と言われることがあります。逆に言えば、脂っこい魚が苦手な人にはちょうど良い味わいです。

冷凍流通が多く、解凍方法によって味が落ちやすい

メバチマグロは世界各地で漁獲され、冷凍で流通することが多い魚です。
解凍の仕方が不十分だとドリップ(解凍液)が出て、水っぽく感じやすくなります。適切に解凍すれば美味しく食べられるのに、「解凍に失敗してまずい」と思われてしまうケースが少なくありません。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

私の現場経験でも、メバチは解凍が9割。解凍方法で味が全然違うので気を使っています。

美味しく食べるコツ

メバチマグロの漬け丼
醤油ダレに漬けることで旨味が増し、水っぽさを感じにくい定番の食べ方。

メバチマグロは、旨味を引き出す工夫を加えるだけで一気に美味しくなる魚です。あっさりした身質を活かしつつ、味と香りを補う食べ方がポイント。現役調理師のおすすめは次の3つです。


漬けにして旨味を引き出す

メバチマグロは赤身中心であっさりしているため、しょうゆやみりんに漬け込むと旨味が増して美味しくなります。特に漬け丼は手頃な価格のメバチを一段と美味しく楽しめる定番の食べ方です。

▼漬けのタレ簡単レシピ
醤油 2
味醂 1
酒  1

みりんと酒を鍋に入れ、沸騰させる(アルコールを飛ばす)
醤油と混ぜ合わせ、冷ます。カットしたマグロを合わせた調味液に入れ、20分漬け込む。


叩いてネギトロ風に

「ネギトロ」や「まぐろたたき」という名前で販売されています。自宅で作るなら、包丁で細かく叩き、大葉やねぎと合わせると香りと旨味が引き立ちます。「淡泊すぎる」という印象が一気に変わり、子どもから大人まで食べやすい味に。


寿司や丼にすると相性抜群

刺身単体だと物足りなくても、酢飯やタレと合わせると味が一体化して美味しくなる魚です。

  • 酢飯の酸味 → 味を引き締める
  • 海苔や醤油 → 香りを補う
  • わさび・生姜 → 赤身の旨味を引き立てる

結論:刺身単体より“丼・寿司”の方がメバチは相性抜群。

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メバチは「旨味と香りを足す」ことで一気に化けます。迷ったら 漬け・ネギトロ・丼物のどれかを選べば失敗しません。


メバチマグロの旬

メバチマグロの旬は 秋〜冬(9〜1月ごろ)。この時期は身が引き締まり、赤身にコクが出て刺身や寿司で最も美味しく味わえます。メバチは世界各地で漁獲され通年流通しますが、刺身で食べるなら旬を狙うのがベストです。

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メバチは“味の濃さ”が季節で変わりやすい魚。
旬=刺身、オフシーズン=丼・漬け・炙り と覚えるだけで、年中ハズさず楽しめます。

メバチマグロの特徴

メバチマグロは、世界各地で広く漁獲されるマグロの一種です。
名前のとおり「目がぱっちり大きい」のが特徴で、成魚は体長2メートル近く、体重100kgを超える個体もあります。
身質は赤身中心で脂が少なめ。そのため味わいはあっさりとしていてクセがなく、さっぱりとしたマグロを好む人に人気です。寿司や刺身だけでなく、漬け丼やネギトロ風にしても相性が良い魚です。

また、メバチマグロは流通量が多く価格が安定しているのも魅力。本マグロやミナミマグロに比べて手頃に購入できるため、家庭の食卓やスーパーの鮮魚売場でもよく見かけるマグロです。

本マグロ・キハダとの違い

マグロといっても種類によって味や価格は大きく異なります。
ここでは、メバチマグロと人気の「本マグロ」「キハダマグロ」を比べてみましょう。

種類味の特徴脂の量価格帯
本マグロ濃厚で旨味が強い多い高級
メバチマグロ赤身中心でさっぱり少なめ手頃
キハダマグロ淡泊で軽い味わい少なめ手頃

結論

  • 本マグロ=“そのまま美味しい刺身向き”
  • キハダ=“軽さを楽しむ魚”
  • メバチ=“工夫次第で一番伸びるマグロ”

メバチが「まずい」と言われるのは、味の濃い本マグロと比べられるから。逆に言えば、漬け・炙り・丼で最も化けるのがメバチです。

水産庁→主要なかつお・まぐろの種類

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メバチは“赤身らしく食べる魚”。濃厚さを求める人には向きませんが、漬け・炙り・丼物との相性が抜群で、日常使いでは最も活躍するマグロのひとつです。


失敗しない解凍のコツ

メバチマグロは “解凍が命” の魚です。
ドリップ(解凍液)が多く出ると水っぽくなり、旨味と色味が一気に落ちてしまいます。
家庭でも失敗しない解凍のポイントは次の3つです。

コツ内容
低温でゆっくり解凍する常温NG・冷蔵庫で時間をかけて解凍する
ドリップを吸わせるキッチンペーパーで身を包み、旨味流出を防ぐ
空気に触れさせないラップ密着 or 保存袋で酸化を防ぐ

正しい解凍手順

  1. 柵をキッチンペーパーで包む
  2. さらにラップで密着させる
  3. バットに置き、冷蔵庫で半日ゆっくり解凍
  4. 解凍後、もう一度ペーパーを替えて余分な水分を除く

👉 ポイント:常温・電子レンジ・流水は鮮度と旨味を落とす原因
刺身で食べる場合は特にNGです。

メバチマグロに合う調理法

メバチマグロは赤身中心でクセが少ないため、さまざまな料理に使えます。
特に寿司や漬け丼にすると、本来の旨味を引き出せます。

調理法理由
刺身さっぱりした赤身を楽しめるが、濃厚さは本マグロに劣る
漬け丼醤油ダレに漬けることで旨味が増し、水っぽさが気にならない
ネギトロ風包丁で叩いて薬味と合わせると脂の少なさを補える
寿司酢飯との相性が良く、さっぱり食べられる
ステーキ火を通すと身が硬くなりやすいが、レア焼きなら旨味を感じやすい
煮物脂が少ないため、煮つけよりも漬けや丼に向く
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メバチは“ひと手間”かけると化けます。特に漬けにすると本当に美味しい。ステーキや煮つけはややパサつきやすいので、火を入れるならレアに仕上げるのがコツです。

メバチマグロと相性の良い食材

赤身が中心のメバチマグロは、薬味や香味野菜、油分のある食材と合わせると旨味が引き立ちます。シンプルな組み合わせでもバランスが良く、家庭料理に取り入れやすいのも魅力です。

食材組み合わせの理由・使い方例
醤油赤身の旨味を引き出す基本の調味料。漬けダレにも最適。
わさびあっさりした味に辛味がアクセント。刺身・寿司に欠かせない。
大葉清涼感が加わり、漬け丼や手巻き寿司に爽やかな風味をプラス。
アボカド脂の少なさを補い、濃厚でまろやかな口当たりに。寿司ロールでも人気。
ごま香ばしさが加わり、漬け丼や和え物におすすめ。
玉ねぎスライスして和えると、さっぱり感が増して丼物に合う。
にんにく叩いてネギトロ風にするときや、漬けダレに少量加えるとパンチが出る。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

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アボカドや大葉は家庭でも簡単に試せる“メバチの名脇役”。淡泊な赤身にコクや香りを加えてくれるので、まずいと言われがちな弱点をしっかりカバーしてくれますよ。

メバチマグロの栄養素(食品成分表)

メバチマグロは、低脂質で高たんぱくな魚として知られています。
特に赤身はダイエット中の方やスポーツをしている方におすすめの食材です。

メバチマグロ 生
100gあたりの含有量

栄養素脂身赤身単位
廃棄率00%
エネルギー158115
水分67.872.2g
タンパク質23.925.4g
脂質7.52.3g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.40.3g
ナトリウム10039
カリウム400440
カルシウム43
マグネシウム3135
リン240270
0.70.9
亜鉛0.40.4
0.030.03
マンガン
ヨウ素4218
セレン7475
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)3717
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD8.13.6
ビタミンE(トコフェロールα)2.00.9
ビタミンK1
ビタミンB10.070.09
ビタミンB20.050.05
ナイアシン13.015.0
ビタミンB60.80.76
ビタミンB121.01.4
葉酸55
パントテン酸0.170.15
ビオチン1.51.5
ビタミンC11
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

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現役和食調理師のヒント

同じメバチでも“赤身”と“脂身”では栄養が大きく違います。赤身はさっぱり高たんぱく、脂身はコクがありカロリーもアップ。料理や目的に合わせて部位を選ぶのが賢い食べ方です。

英語・漢字表記

  • 漢字表記:目撥鮪(めばちまぐろ)
     → 「目がぱっちり大きい」ことからこの名が付いたといわれています。
  • 英語表記:Bigeye tuna
     → 「Bigeye」は「大きな目」という意味で、英名も特徴をそのまま表しています。
  • 発音記号:[ˈbɪɡ.aɪ ˈtuː.nə]
     → カタカナ読み:ビッグアイ・トゥーナ

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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