ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10

ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10
ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10
TOP » 35種類の栄養素一覧表|五大栄養素&ファイトニュートリエントを解説 » ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10

ビタミンAの働きは?
どんな食材に多く含まれている?

この記事では、ビタミンAの特徴や働きをわかりやすく解説し、食品別の含有量ランキングを一覧でまとめました。卵や魚、肉に含まれるレチノール、野菜や果物に豊富なβカロテンを比較しながら、1日の摂取基準や注意点も確認できます。

調理師としての視点から、食材選びや日々の食事に取り入れやすい工夫もお伝えします。ビタミンAをしっかり理解して、健康的な食生活に役立ててください。

※本記事には広告が表示されます。

ビタミンAとは?その特徴と働き

ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10
ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10

ビタミンAは、脂に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種で、
視覚・皮膚・粘膜の健康維持に関わる栄養素です。

ビタミンAの特徴

分類含まれる形主な食品例
動物性食品レチニルエステルなどレバー、卵黄、乳製品 など
植物性食品β-カロテン(カロテノイド)にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 など
  • β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰摂取のリスクが比較的低いとされています。
  • 摂取されたビタミンAの多くは肝臓に蓄えられ、必要に応じて全身に供給されます。
  • 体内で合成することができないため、食品からの摂取が不可欠です。

ビタミンAの主な働き

  • 暗い場所での視覚機能をサポート
  • 皮膚や粘膜の健康維持に関与
  • のど・鼻・消化器官などの粘膜の機能維持を助ける

現代の日本では、栄養バランスの取れた食事をしていれば不足することは少ないとされています。
ただし、極端な偏食や特定のライフステージ(妊娠・成長期など)では注意が必要です。

種類別|レチノールの含有量|トップ10

卵類|レチノール|含有量ランキング

卵類|たんぱく質|含有量ランキング
卵類|レチノール|含有量ランキング

卵は、手軽にビタミンA(レチノール)を摂取できる食品のひとつです。
特に卵黄に多く含まれており、調理方法によって含有量にやや違いがあります。

以下の表では、100gあたりのビタミンA(μgRAE)含有量を、調理法や卵の種類別にまとめています。
毎日の食事に取り入れる際の参考にしてみてください。

食品100g当たりの含有量
鶏卵(卵黄/生)690 ㎍
鶏卵(卵黄/茹で)520 ㎍
うずら卵(水煮缶)480 ㎍
うずら卵(全卵/生)350 ㎍
鶏卵(全卵/生)210 ㎍
目玉焼き(全卵)200 ㎍
いりたまご(全卵)180 ㎍
ゆで卵(全卵)160 ㎍
だし巻き卵140 ㎍

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

魚介類|レチノール|含有量ランキング

蛍烏賊 ほたるいか
魚介類|レチノール|蛍烏賊 ほたるいか

魚介類のなかでも、内臓や肝(きも)を食べる種類は、ビタミンA(レチノール)を多く含む傾向があります。
特に「ほたるいか」「うなぎ」「ギンダラ」などは、レチノールの含有量が非常に高く、ランキング上位に並ぶ食材です。

以下の表では、100gあたりのビタミンA(μgRAE)含有量を多い順に紹介しています。
魚介類を食卓に取り入れる際の参考にしてみてください。

食品100g当たりの含有量
ほたるいか(茹で)1900 ㎍
ギンダラ(水煮)1800 ㎍
ほたるいか(生)1500 ㎍
うなぎ(焼き)1500 ㎍
クロマグロ(焼き)1100 ㎍
蒸しアナゴ890 ㎍
クロマグロ(生)840 ㎍
(焼き)480 ㎍
いくら330 ㎍

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

肉類|レチノール|含有量ランキング

ビタミンAの含有量ランキング|卵・野菜・魚介のベスト10
鶏のから揚げ

肉類の中でも、レバーやフォアグラなどの内臓部位には、ビタミンA(レチノール)が多く含まれています。一方、鶏もも肉やラム、くじらといった一般的な肉の部位にも、少量ながらビタミンAは含まれています。

以下の表では、100gあたりのビタミンA(μgRAE)含有量を多い順にまとめています。
普段の食事で使う部位がどのくらい含んでいるか、チェックしてみましょう。

食品100g当たりの含有量
フォアグラ(茹で)1000 ㎍
くじら(生)130 ㎍
焼き鳥(缶詰)60 ㎍
とりもも(ゆで)47 ㎍
ラムロース37 ㎍
鶏モモから揚げ28 ㎍

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

種類別|βカロテンの含有量|トップ10

野菜類|βカロテン|含有量ランキング

冬人参はこれから
野菜類|βカロテン|にんじん

緑黄色野菜には、プロビタミンAのひとつである「β-カロテン」が豊富に含まれています。
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンA(レチノール)に変換
される栄養素で、特ににんじん、ほうれん草、ピーマンなどに多く含まれています。

以下の表では、100gあたりのβ-カロテン量(μgRAE換算)を多い順にご紹介しています。
毎日の野菜選びの参考にしてみてください。

食品100g当たりの含有量
にんじん(油いため)4500 ㎍
にんじんグラッセ3300 ㎍
にんじん(生)皮なし2600 ㎍
ミニキャロット(生)2200 ㎍
蔓紫(ゆで)260 ㎍
オレンジピーマン(油いため)150 ㎍
さやいんげん(茹で)150 ㎍
ニガウリ(油いため)100 ㎍

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

果実類|βカロテン|含有量ランキング

旬の食材ーばなな
野菜類|βカロテン|ばなな

果物の中にも、少量ながらβ-カロテンを含むものがあります。
中でも、すだち、バナナ、プルーンなどは比較的含有量が多く、日常的に摂りやすい果物です。

以下の表では、**100gあたりのβ-カロテン量(μgRAE換算)**をもとに、果実類の含有量をまとめています。
野菜と組み合わせて、ビタミンAのバランスをとる参考にしてみてください。

食品100g当たりの含有量
すだち(生)360 ㎍
バナナ(乾)330 ㎍
プルーン(乾)1330 ㎍
まくわうり(生)68 ㎍
ぐみ(生)54 ㎍
バナナ(生)28 ㎍
ラズベリー(生)19 ㎍

参考文献「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

ビタミンAの食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!

ビタミンAは、体の成長や視覚・皮膚・粘膜の健康維持に関わる重要な栄養素です。
体内で合成できないため、食事からの摂取が必要です。
以下の表では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいて、年齢・性別ごとのビタミンAの必要量(μgRAE/日)を一覧にしています。

日本人の食事摂取基準(2025年版)ビタミンAの推奨摂取量一覧
2025年版ビタミンAの推奨摂取量(日本人の食事摂取基準)

📌 レチノールとβ-カロテン、それぞれに役割があります

  • レチノールは、体内ですぐに使われる「活性型」のビタミンAです。
  • β-カロテンは、必要に応じて変換される「予備型」のビタミンAで、野菜中心の食生活でもビタミンAの摂取に貢献します。

📌 妊娠期・成長期・高齢期などでは摂取基準が変化します
成長期や妊娠・授乳中には、ビタミンAの必要量が増えるため、表内に+αの目安が記載されています。

📌 レバーやサプリメントの過剰摂取には注意を
通常の食生活で過剰になることは少ないですが、動物性のビタミンAは体に蓄積されやすいため、摂りすぎには気をつけましょう。

ビタミンAの英語表記

ビタミンAの英語表記
ビタミンAの英語表記

ビタミンAは、英語で “Vitamin A” と表記され、食品の成分表示やサプリメントのラベルなどでも広く使われています。
また、ビタミンAに関わる成分は複数あり、それぞれの形によって名称が異なります。


📌 栄養成分表示で見かける主な英語表記

英語表記日本語の意味・解説
Vitamin AビタミンA(全般)
Retinolレチノール(主に動物性食品に含まれるビタミンAの一種)
Retinyl Palmitateパルミチン酸レチニル(レチノールの安定型、サプリや化粧品でも使用)
Retinyl Acetate酢酸レチニル(レチノール誘導体の一種)
Beta-Caroteneβ-カロテン(プロビタミンA。植物性食品に含まれる)
Carotenoidsカロテノイド(色素成分。β-カロテンを含む)

📌 こんなときにチェック!

  • 輸入食品やサプリメントのラベルを見るとき
  • 化粧品の成分に含まれる「レチノール」などの名称を確認したいとき
  • 「ビタミンAが入っているか」を見極めたいとき

たとえば、Retinol と書かれていれば動物性ビタミンA由来、Beta-Carotene であれば植物性由来のプロビタミンAであることがわかります。
栄養成分表示をチェックする際の参考にしてみてください。

ビタミンAについてまとめ

  • ビタミンAは、脂溶性ビタミンのひとつで、健康的な体づくりを支える栄養素です。
  • 動物性食品には「レチノール」、植物性食品には「β-カロテン」として含まれます。
  • β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
  • 吸収率や働きに違いがあるため、動物性・植物性どちらもバランスよく摂ることが大切です。
  • ビタミンAは主に肝臓に蓄えられ、体内で再利用される特性があります。
  • 年齢や性別、妊娠・授乳期などによって必要量が異なるため、食事摂取基準を参考にしましょう。
  • 日常の食事から摂るぶんには問題ありませんが、レバーやサプリメントでの摂りすぎには注意が必要です。

関連記事

35種類の栄養素一覧表|五大栄養素&ファイトニュートリエントを解説

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました