ホームベーカリー奮闘記|うまくいかなかった原因と試したことを全部まとめました

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ホームベーカリーを使っていると「なぜかうまく焼けない」「前は成功したのに今回は違う」
そんな経験を一度はすると思います。

このページは、完成度の高いレシピだけを集めた成功集ではありません。私自身が実際にホームベーカリーで何十回も焼き、うまくいった配合、微妙だったもの、正直失敗だったものまで含めて
「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」をそのまま残した奮闘記のまとめです。

生クリーム、ココナッツミルク、チョコ、酒類、調味料――
いろいろ試す中で分かったのは、ホームベーカリーには遊べる範囲と、超えてはいけないラインがあるということでした。

このページでは、

  • 初心者でも成功しやすかった配合
  • 方向性は分かったが再現性が低かった実験
  • 時間と材料を考えるとおすすめしにくい配合

を整理し「自分はどこまで試すタイプか?」を判断できるようにまとめています。レシピを真似するためだけでなく、失敗を減らすための地図として読んでもらえれば嬉しいです。

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はじめに|このページについて

ここのページは成功例だけを集めたレシピ集ではありません。
ホームベーカリーで実際に何度も焼く中でうまくいった配合だけでなく、思ったほど変化が出なかったものや、条件次第では成立したもの、正直に言えば「これはやらなくてよかった」と感じたものまでそのまま記録しています。

ホームベーカリーでは「成功したレシピ」以上に「どこで失敗しやすいのか」「どこまでなら条件を変えても大丈夫なのか」といった情報の方が次に焼くときの判断材料になります。

このページではこれまで試してきた配合や材料、仕上がりを整理しています。ここに掲載しているレシピはおすすめ順でも万人向けでもありません。自分はどこまで試したいのか、どこから先はやらなくていいのか。その線引きを考えるための記録として、このページを読んでもらえればと思います。


ホームベーカリー奮闘記の前提条件

ホームベーカリー
Panasonic SD-BH104(廃盤モデル)

この奮闘記では家庭用のホームベーカリーを使って検証しています。業務用機器や特別な改造は行っておらず一般家庭で再現可能な範囲での試行錯誤です。

▶使用したホームベーカリー
Panasonic SD-BH104(廃盤モデル)
発売からかなり年数が経っていますが、現在も安定した焼き上がりで現役使用中です。

基本配合について

この奮闘記ではいわゆる「基本配合」はあえて固定していません。強力粉の種類や水分、油脂の有無などは、レシピごとに条件を変えています。理由は家庭でホームベーカリーを使う場面では、「毎回同じ材料・同じ条件で焼く」方が少ないと感じているからです。各ページでは再現しやすいようにベーカーズパーセントを表示しています。

すべてのレシピで共通している事
・家庭用ホームベーカリーを使用していること
・サフ(赤)インスタントドライイーストを使用していること
・極端な業務用材料や特殊な改造は行っていないこと

試行錯誤のスタンス

この奮闘記では「必ず成功させる」ことを目的にしていません。
・計量が多少ズレたらどうなるか
・材料を置き換えたら何が起きるか
・家庭でやりがちな失敗がどこで起きるか

そういった点を確認するスタンスで試しています。そのため、ここに掲載しているレシピは「万人におすすめできる完成形」ではなく、「こうすると、こうなった」という記録に近いものです。

ホームベーカリーはレシピだけでなく、原価や消耗品も含めて考えることで続けやすくなります。気になる方はこちらで一度整理してみてください。▶ホームベーカリーの原価と消耗品|続けるための現実


成功体験になりやすかった配合

ここでは、何度か焼いてみて大きな失敗につながりにくかった配合をまとめています。毎回完璧に仕上がるという意味での成功ではなく、計量や手順が多少前後しても、膨らまない・焼けないといった致命的なトラブルが起きにくかった、という基準で選んでいます。

ホームベーカリーを使い始めたばかりの人や、まずは「失敗しない感覚」をつかみたい人にとって、成功体験になりやすい配合です。最初の1本として試すなら、ここにあるレシピから選ぶのが無難だと感じています。

配合名コメント
牛乳水の替わりとして使いやすい
生クリームふぃんわり食感が崩れにくく、失敗しにくい
ココナッツミルクしっとりしやすく、変化が分かりやすい
アーモンドミルクほんのりアーモンドの香り
おうち乃が美再現性が高く、完成度が出やすい
クリームチーズ練り込み量を抑えれば成立しやすい
チョコベビー後入れで失敗しにくく、食感も安定
白いダース溶け方が穏やかで、生地が乱れにくい
緑茶香りは控えめだが、生地は安定しやすい
紅茶香りは出にくいが、パン自体は成立する
ライ麦配合を控えめにすれば大きく崩れにくい
柚子少量なら風味付けとして成立しやすい
黒豆おせちのリメイク
すりごま胡麻の香りMax、セサミ食パン
カルピス中はふわふわ、カルピス香る

条件付きで成立した配合

ここにまとめているのはパンとしては成立するもので、可もなく不可もなく。味などに変化がなかったものや好みによってはおいしいと呼べるものです。ここからのアレンジ次第では大きく可能性を秘めた配合。こんなものを入れてもパンとして成立する配合です。トータル的に見て「微妙」なものを記録として残しています。

トマトジュース問題なく膨らむ。ピザにするなら・・・
切り餅噛めば噛むほどモチモチ?餅をすり下ろす手間が・・
赤味噌ふっくら仕上がるせんべい味のパン
白ワイン子供に不向き。大人の食パン
赤ワインキメが粗いがチーズにぴったりの食パン
日本酒しっとり日本酒香る
練乳練乳の恩恵は受けられず
本みりんややアルコールの香り
ココア配分多すぎて・・・
米粉ややしっかりした食パン
杏仁霜変化が見られない

失敗と呼べる配合

ここでは実際に試してみて構造的にうまくいかなかった、または再現性が極端に低かった配合をまとめています。膨らみが悪くなったり、パンにはなるけど味がおいしくないという配合。「やり方が悪かったから失敗した」というより、材料や条件そのものが家庭用ホームベーカリー向きではなかった、という印象が強く残りました。
同じ失敗を繰り返さなくて済むよう、あえて記録として残しています。

黒酢ふくらみは悪く、ねっとり食感と酸味

ここまで試して分かったこと

成功と失敗を分けたのは技術というより「どこまで欲張ったか」
ある程度の配合であれば、問題なく「食パン」と呼べるものには仕上がります。ただし、空洞が多い、きめが粗い、思ったほどおいしくないなど、完成度には差が出ました。焼き上がったあとにどう食べるか、どう調理するかで評価が変わるケースも少なくありません。

一方で、明確に「やりすぎ」だった配合もあります。たとえば酢を使った配合は、発酵を妨げてしまい、膨らみが明らかに不足しました。これは好みの問題ではなく、パン作りの特性上、無理があったと感じています。

今回の奮闘記を通して見えてきたのは、ホームベーカリーには明確な「遊べる範囲」があるということです。その範囲を理解したうえで試行錯誤すれば、パンが好きな人、いろいろな配合を試してみたい人にとっては、とても楽しい道具になります。


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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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