マッシュルーム(作茸)の意味と特徴|種類・保存方法・英語表記まとめ

野菜
TOP » 野菜 » マッシュルーム(作茸)の意味と特徴|種類・保存方法・英語表記まとめ

作茸とは?意味と由来

※本記事には広告が表示されます。

  • 作茸(さくたけ) は、「人工的に栽培されたキノコ」の総称です。
  • 特に「マッシュルーム」を指す場合もあり、日本語の古い文献や農業関連ではこの言葉が登場します。
  • 「茸(たけ)」はキノコ全般を指す言葉で、「作」は「人が育てた・作った」という意味です。つまり、「作茸」は“人工栽培のキノコ”という意味になります。
  • 現在の日常会話や料理名では「マッシュルーム」というカタカナ表記が一般的です。
  • 世界で一番多く栽培されているキノコ
  • ヨーロッパでは「シャンピニオン」と呼ばれる
  • 茸の中では唯一、生食できる茸
  • 日本でも栽培が行われているが、いまだに失敗が多い

マッシュルームの旬カレンダー

マッシュルームは年中出回りますが、おいしいとされる時期は4~6月、9~11月です。特に9~11月のマッシュルームは風味豊かでおいしいといわれます。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

マッシュルームの種類と特徴

マッシュルームには、栽培方法や成熟度によっていくつかの種類があります。日本でよく見かけるのは以下の3タイプです。

ホワイトマッシュルーム
最も一般的な品種。白くて柔らかく、クセのない味わいが特徴。
サラダや炒め物、スープなど幅広い料理に使える万能型です。

ブラウンマッシュルーム(クリームマッシュルーム)
ホワイトよりも香りと旨味がやや強い。加熱料理に適しており、煮込みや炒め物に向いています。食感がしっかりしていて、料理のアクセントにも。

ポートベロ(ジャンボマッシュルーム)
ブラウンマッシュルームを成熟させた大型品種。傘が大きく開いており肉厚
グリルや肉詰めなど、主役級のレシピにも使われる存在感のあるマッシュルーム。

マッシュルームは生で食べられる?加熱との違い

生食は可能?

マッシュルームは生でも食べられる数少ないきのこです。特にホワイトマッシュルームはクセが少なく、サラダやカルパッチョなどでよく使われます。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 鮮度が高いものを選ぶこと(傷みやすく、変色しやすいため)
  • しっかり洗わずに汚れを落とす(風味が損なわれるため、濡れ布巾で拭くのが理想)
  • 加熱用マッシュルーム(輸入品など)は生食非推奨

加熱するとどうなる?

加熱することで以下のような変化が生まれます。

  • 香りと旨味がアップ(グアニル酸という旨味成分が引き出される)
  • 食感が柔らかくなり、料理になじみやすい
  • 油やバターとの相性が良く、風味が引き立つ

生 vs 加熱

比較項目生食加熱
香り控えめ豊かで香ばしい
味わいあっさり・みずみずしい濃厚・コクがある
向いている料理サラダ・マリネ炒め物・スープ・グリル

マッシュルームと相性の良い食材

食材相性の特徴代表的な料理例
牛肉
豚肉
鶏肉
旨味が強く、相乗効果でコクが増すビーフシチュー
ソテー
チキンソテー
ベーコン
ハム
塩味と燻製香が加わり風味アップパスタ
グラタン
スープ
ひき肉ジューシーさをプラスミートソース
ハンバーグ
玉ねぎ
にんにく
香りを引き立てるガーリック炒め
ソテー
煮込み
ほうれん草
ズッキーニ
野菜の甘みと食感が合う洋風炒め
グラタン
トマト
パプリカ
酸味と彩りをプラスラタトゥイユ
サラダ
パスタ
バター
チーズ
コクと風味を引き立てるグラタン
ピザ
キッシュ
生クリーム
牛乳
まろやかで濃厚に仕上がるクリームスープ
ホワイトソース
パスタ
リゾット
パン
主食に旨味を加えるペペロンチーノ
リゾット
サンドイッチ
じゃがいも
食感のコントラストが出るグラタン
炒めご飯
スープ
まろやかで人気の組み合わせオムレツ
キッシュ
スクランブルエッグ
白ワイン
ブイヨン
香りづけとコク出し煮込み
リゾット
ソテー
しょうゆ
味噌
和風アレンジにも対応和風パスタ
味噌汁

保存方法|冷蔵・冷凍・乾燥のコツ

冷蔵保存

  • キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。
  • 密閉しすぎると湿気で傷みやすいため、軽く口を開けて保存するのがおすすめです。
  • 保存期間の目安:3〜5日

冷凍保存

  • 生のまま冷凍も可能ですが、風味や食感が落ちるため、軽く炒めてから冷凍すると◎
  • スライスして小分けにすると使いやすいです。
  • 解凍せずそのまま調理可能。

乾燥保存

  • スライスして天日干し、またはフードドライヤーで乾燥させて保存。
  • 香りや旨味が凝縮されるため、スープや煮込み料理に向いています。
  • 密閉容器で常温保存すれば、1ヶ月程度持ちます。

保存のポイント

  • 傷んだ部分は早めに除くことで、他のきのこの劣化を防げます。
  • マッシュルームは水洗いせずに保存するのが基本(調理前にさっと拭く程度でOK)。

マッシュルームの栄養素(食品成分表)

マッシュルーム

可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率05%
エネルギー2015
水分91.593.9g
タンパク質3.82.9g
脂質0.20.3g
食物繊維(総量)3.32.0g
炭水化物3.72.1g
ナトリウム66
カリウム310350
カルシウム43
マグネシウム1110
リン99100
0.30.3
亜鉛0.60.4
0.360.32
マンガン0.050.04
ヨウ素1
セレン1114
クロム
モリブデン22
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD0.50.3
ビタミンE(トコフェロールα)
ビタミンK
ビタミンB10.050.06
ビタミンB20.280.29
ナイアシン2.73.0
ビタミンB60.080.11
ビタミンB12
葉酸1928
パントテン酸1.431.54
ビオチン12.011.0
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」
  • カリウム:350(生)/310(ゆで)mg
     果菜類の中では多め。むくみ・血圧ケアに◎。
  • パントテン酸:1.54(生)/1.43(ゆで)mg
     ビタミンB群の中でも突出。エネルギー代謝やホルモン合成に関与。
  • セレン:14(生)/11(ゆで)µg
     抗酸化ミネラルとしてキノコ類らしく比較的豊富。
  • 食物繊維:2.0(生)/3.3(ゆで)g
     低カロリーながら整腸に役立つ量。
  • ビオチン:11(生)/12(ゆで)µg
     皮膚・髪の健康やエネルギー代謝に関与。果菜類としてはしっかりめ。


補足:たんぱく質も2.9–3.8 gと野菜・果実類の中ではやや多め。銅(0.32–0.36 mg)やリン(約100 mg)、ビタミンB2(0.28–0.29 mg)も良好です。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

マッシュルームの漢字・英語表記と読み方

漢字表記:作茸(さくたけ)
※「作茸」という表現は一部地域・文献で使用されますが、一般的には漢字表記より「マッシュルーム」とカタカナで表記されることが多いです。

英語表記

  • Mushroom(マッシュルーム)
  • Button mushroom(ボタンマッシュルーム)※一般的な白い品種
  • Champignon(シャンピニオン)※フランス語由来の表記で、ヨーロッパ系の料理ではこちらが使われることも

英語の発音(カタカナ表記):

  • Mushroom:マシュルーム
  • Button mushroom:バトゥン・マシュルーム
  • Champignon:シャーンピニョン(フランス語)

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました