かりもりって何?
どんな栄養があるの?
どう保存すれば長持ちする?
そんな疑問を持つ方に向けて、愛知県の伝統野菜・かりもり(Karimori melon)の魅力を紹介します。この記事では、旬の時期や栄養、正しい保存法、さらにおすすめの料理まで、現役調理師がやさしく解説します。
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カリモリの旬~おいしい時期~
かりもり
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季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
かりもりとは?~野菜の解説~

かりもり(Karimori)は、愛知県を中心に栽培される白うりの一種で、別名「堅瓜(かたうり)」とも呼ばれます。
果皮は濃い緑色に縦じま模様が入り、長さは約20~30cm、重さは1kg前後。果肉は白く、しっかりとした歯ごたえが特徴です。
味にクセがなく、浅漬けや粕漬け、奈良漬けなどに使われるほか、炒め物や煮物などの加熱調理にも適しています。シャキッとした食感が楽しめるため、夏場の食卓にぴったりのさっぱり系夏野菜です。
栄養面では水分が豊富で、カリウムやビタミンC、食物繊維などを含みます。
体を冷やす効果が期待でき、夏バテ予防やむくみ対策にもおすすめの食材です。
旬は6月〜8月で、最もおいしい時期に出回ります。
保存方法や相性の良い食材、調理法については次の項目で詳しく解説します。
かりもりは愛知県の伝統野菜で「粕漬け(奈良漬け)」として長年親しまれてきました。
淡白な味わいのため、発酵調味料・酸味・香味野菜などと組み合わせると、よりおいしく引き立ちます。
かりもりの保存方法
かりもりは水分が多く日持ちしにくいため、正しい方法で保存することが大切です。
ここでは、常温・冷蔵・冷凍・漬物保存の4つの方法を紹介します。
🏠 常温保存(短期間のみ)
かりもりは高温多湿に弱く、夏場の常温保存には不向きです。
どうしても常温で保存する場合は、風通しのよい涼しい場所で、新聞紙に包んで1~2日以内に使い切りましょう。25℃を超える環境ではすぐに傷むため、できるだけ冷蔵保存が推奨されます。
❄️ 冷蔵保存(おすすめ)
かりもりを新聞紙やキッチンペーパーで軽く包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。
この方法で、2〜3日程度は鮮度を保てます。状態が良ければ、最大5日ほど持つこともあります。
使いかけの場合は、切り口をラップでしっかり密封し、2〜3日以内に食べきりましょう。
乾燥を防ぐことが、食感をキープするポイントです。

現役和食調理師のヒント
かりもりは「シャキッとした食感」が命。冷蔵庫でも長く置くと水分が抜け、歯ごたえが悪くなります。なるべく購入から数日以内に調理・漬物に加工するのがおすすめです。
🧊 冷凍保存(調理後のみ)
生のまま冷凍すると、解凍後に水分が抜けて食感が損なわれるためおすすめできません。
冷凍したい場合は、塩もみ・軽く茹でる・炒めるなど、調理済みの状態で冷凍しましょう。
保存期間は2〜4週間(約1か月)が目安です。使用時は自然解凍して、和え物や炒め物に利用できます。
🧂 漬物保存(長期保存)
かりもりは、もともと漬物用の瓜(白うりの仲間)として親しまれてきた野菜です。
特に粕漬け(奈良漬け)**は愛知県の郷土料理として知られ、漬け込み後 3週間ほどで食べごろになります。
ぬか漬けにして冷蔵庫で1〜2週間程度の保存ができます。
📝 保存方法まとめ
| 方法 | 期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 常温保存 | 1〜2日 | 涼しい場所で短期保存。 夏場は避ける |
| 冷蔵保存 | 2〜3日(最大5日) | 新聞紙+ポリ袋。 乾燥防止がカギ |
| 冷凍保存 | 2〜4週間 | 調理済みで冷凍。 生は不向き |
| 漬物保存 | 数週間〜1年 | 粕漬け・ぬか漬け |

現役和食調理師のヒント
かりもりは「漬けるための白うり」といっても過言ではありません。
他の白うりよりも身がしっかりしているため、長期漬けでも形が崩れにくく、漬け上がりの食感が良いのが魅力です。
かりもりと相性の良い食材

かりもりはクセのない淡白な味わいとシャキッとした歯ごたえが特徴のウリ科野菜です。
そのため、塩気や旨味のある食材、さっぱりした調味料と組み合わせると、食感と風味が引き立ちます。
| 食材・調味料 | 相性の理由・ポイント | 主な料理例 |
|---|---|---|
| 塩 塩こんぶ | 水分を引き出し、旨味をプラス。浅漬けや即席おかずに最適 | 塩もみ 塩こんぶ和え |
| 味噌 甘味噌 酒粕 | 発酵のコクと甘味が淡白な味を引き立てる | 味噌漬け 粕漬け |
| 酢 甘酢 レモン | 酸味でさっぱり感を演出し、夏向けの味わいに | 甘酢漬け 酢の物 |
| 醤油 みりん 酒 | 和の基本調味料でバランスの良い味付けに | 炒め煮 漬け物 |
| きゅうり 大葉 みょうが | 同系統の香味野菜と合わせると食感・風味がアップ | 和え物 サラダ |
| 豚肉 鶏むね肉 | あっさりした肉と相性が良く、炒めても食感をキープ | 味噌炒め 甘辛炒め |
| しらす 鮭 | 塩気と旨味で味に深みを加える | 和え物 混ぜご飯 |
| 生姜 にんにく | 香りづけにより食欲を増進させる | 炒め物 和え物 |
| ごま油 中華だし | 香ばしさとコクを加え、ナムル風にもアレンジ可能 | メンマ風炒め ナムル |

現役和食調理師のヒント
かりもりは「味をしみ込ませる」「食感を活かす」調理がポイント。
シンプルな塩もみや浅漬けでもおいしいですが、味噌漬け・甘酢漬け・中華風炒めなど、調味料を変えるだけで印象がガラリと変わります。
かりもりとよく合う調理法
| 調理法 | 特徴 | ポイント |
|---|---|---|
| 生 | 食感を楽しむ | 塩もみで苦味をやわらげる |
| 漬ける | 旨味が染み込み長期保存可 | 味噌・酒粕・ぬか床が◎ |
| 炒める | 香ばしくボリューム感UP | 短時間で仕上げて食感キープ |
| 煮る | 出汁が染みて優しい味 | 軽く煮て歯ごたえを残す |
| 和える | 短時間で副菜に最適 | 酢や香味野菜でさっぱり |

現役和食調理師のヒント
かりもりは「漬けて旨い・炒めて香ばしい・和えてさっぱり」と、アレンジの幅が広い野菜です。
特に夏は甘酢漬けやごま油和え、涼しい季節には味噌炒めや粕漬けなど、季節に合わせて楽しむのがおすすめです。
主な品種群
白うり(しろうり)系統の分類
- 学名:Cucumis melo var. conomon(メロンの仲間)
- 分類:ウリ科 → キュウリ属 → 白うり群(漬物用メロン)
- 特徴:果肉がしっかりしており、水分が多く淡白な味わい。主に漬物用として利用される。
かりもりはこの中でも、果皮が濃い緑色で縦じまが入り、果肉が硬めの品種として位置づけられます。
代表的な白うり系品種
| 品種名 | 特徴 |
|---|---|
| かりもり (堅瓜) | 果肉が硬くシャキシャキ、粕漬け向き。愛知の伝統野菜 |
| 金俵うり (きんだわら) | 果皮が薄い黄緑色、浅漬け向き |
| 青瓜 (あおうり) | 緑の濃い白うりで、粕漬け・味噌漬けに使用 |
| 白うり (一般種) | 全国で栽培。淡白で漬物に適す |
カリモリの栄養素(食品成分表)
しろうり(生)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 生 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 25 | % |
| エネルギー | 15 | ㎉ |
| 水分 | 95.3 | g |
| タンパク質 | 0.9 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 1.2 | g |
| 炭水化物 | 3.3 | g |
| ナトリウム | 1 | ㎎ |
| カリウム | 220 | ㎎ |
| カルシウム | 35 | ㎎ |
| マグネシウム | 12 | ㎎ |
| リン | 20 | ㎎ |
| 鉄 | 0.2 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.2 | ㎎ |
| 銅 | 0.03 | ㎎ |
| マンガン | 0.05 | ㎎ |
| ヨウ素 | 5 | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | 2 | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 65 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンK | 29 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.03 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.03 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.04 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 39 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.30 | ㎎ |
| ビオチン | 1.3 | ㎍ |
| ビタミンC | 8 | ㎎ |
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かりもりの英語表記

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | かりもり(ひらがな) |
| 分類 | 白うり(しろうり)の一種 |
| 別名 | 堅瓜(かたうり)=果肉が硬いことからの通称 |
| 英語表記 | Karimori melon / Japanese white gourd |
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