パントテン酸(ビタミンB5)は、代謝やホルモンの合成などに欠かせない栄養素のひとつです。
多くの食品に含まれてはいるものの、「どれを選べば効率よく摂取できるのか」を具体的に知りたい方も多いのではないでしょうか。
本ページでは、卵類・魚介類・野菜類・肉類・乳製品といった分類ごとに、パントテン酸の含有量が多い食品をランキング形式でご紹介しています。
日々の食事で自然に補える食材を知るきっかけとして、ぜひご活用ください。
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パントテン酸とは?その特徴と働き

パントテン酸は、水に溶けるビタミンB群のひとつで、「ビタミンB5」とも呼ばれています。
名前の由来はギリシャ語の「pantothen(=どこにでもある)」から来ており、その名のとおり、さまざまな食品に広く含まれています。
主な働きは、エネルギーをつくるサポート。
ほかにも体の中でさまざまな役割を担っています。
● パントテン酸の主な働き
- 糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助ける
- 補酵素A(CoA)として、エネルギーを生み出す手助け
- ホルモンや神経伝達物質の合成に関わる
- 皮膚や粘膜の健康を保つサポート
通常の食事をしていれば不足しにくい栄養素ですが、次のような状況ではより意識して摂取したい栄養素でもあります。
● パントテン酸が不足しやすい場面
ストレスの多い生活が続いているとき
加工食品に偏った食生活
成長期や妊娠・授乳期
種類別|パントテン酸の含有量|トップ10
肉類|パントテン酸|含有量ランキング

パントテン酸を効率よく摂取したい方にとって、肉類はとても優秀な食材のひとつです。
特にレバー類や加工されていない赤身肉には、比較的多くのパントテン酸が含まれています。
このランキングでは、日常の食事に取り入れやすい肉類を中心に、パントテン酸の含有量が多い順にご紹介しています(100gあたりの数値)。
身近な部位や、焼くだけで食べられる食材も多いため、日々の献立づくりにも役立ちます。
食品 | 100g当たりの含有量 |
---|---|
スモークレバー(豚) | 7.28 |
フォアグラ(茹で) | 4.38 |
ささみソテー | 2.95 |
鶏むね(焼き) | 2.58 |
ささみ(焼き) | 2.37 |
鶏ミンチ(焼き) | 2.00 |
豚ミンチ(焼き) | 1.61 |
豚ヒレ(焼き) | 1.55 |
生ハム | 1.36 |
鶏もも(焼き) | 1.33 |
魚介類|パントテン酸|含有量ランキング

魚介類にも、パントテン酸を豊富に含む食材がいくつもあります。
中でも「からすみ」や「たらこ」「にじます(焼き)」などは、日常の食卓でも取り入れやすく、パントテン酸の摂取源としておすすめです。
ここでは、栄養価の高さと使いやすさのバランスを考えて厳選した魚介類を、パントテン酸の含有量が多い順にご紹介しています(100gあたり)。
日々の料理に手軽に取り入れられるものが多いため、参考にしてみてください。
食品 | 100g当たりの含有量 |
---|---|
からすみ | 5.17 |
田作り(かたくちいわし) | 3.74 |
たらこ(焼き) | 3.68 |
にじます(焼き) | 2.68 |
子持ち鰈(水煮) | 2.58 |
いくら | 2.36 |
からしめんたいこ | 2.16 |
ししゃも(焼き) | 1.93 |
白鮭(焼き) | 1.80 |
めざし(焼き) | 1.71 |
きのこ類|パントテン酸|含有量ランキング

きのこ類は低カロリーで栄養価が高く、日々の食卓でも活躍する食材です。
パントテン酸の含有量はそれほど多くはないものの、組み合わせやすさ・手軽さという面で優れています。
このランキングでは、実際の食事に取り入れやすい加熱済み・調理例のあるきのこ類を中心にピックアップしました。
生で食べられないものや、乾燥・粉末など現実的に使いにくい食品は除外し、普段の料理に活かせるものだけを掲載しています。
炒め物、煮物、スープなどに手軽にプラスして、栄養バランスを整えるヒントとしてご活用ください。
食品 | 100g当たりの含有量 |
---|---|
ひらたけ(茹で) | 2.36 |
マッシュルーム(油炒め) | 1.67 |
エリンギ(焼き) | 1.66 |
はたけしめじ(ゆで) | 1.53 |
えのきだけ(油いため) | 1.47 |
マッシュルーム(茹で) | 1.43 |
なめこ(茹で) | 1.33 |
エリンギ(油いため) | 1.31 |
しいたけ(油いため) | 1.28 |
ぶなしめじ(素揚げ) | 1.19 |
たまご類|パントテン酸|含有量ランキング

卵は、たんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラルもバランスよく含まれた優秀な食材です。
中でも卵黄にはパントテン酸が多く含まれており、調理法によっても含有量に多少の違いが見られます。
このランキングでは、普段の食卓で使いやすい調理例を中心に、パントテン酸の多い卵料理を厳選してご紹介しています。
ゆで卵や目玉焼き、だし巻き卵など、家庭でも手軽に作れるメニューばかりなので、日々の食事に取り入れやすいのが特長です。
調理の参考として、ぜひご覧ください。
食品 | 100g当たりの含有量 |
---|---|
鶏卵 卵黄(生) | 3.60 |
鶏卵 卵黄(茹で) | 2.70 |
ポーチドエッグ | 1.45 |
目玉焼き | 1.29 |
ゆでたまご | 1.18 |
いりたまご | 1.16 |
鶏卵 全卵(生) | 1.16 |
だし巻き卵 | 1.03 |
うずら卵(生) | 0.98 |
たまご豆腐 | 0.62 |
野菜類|パントテン酸|含有量ランキング

野菜はパントテン酸の含有量が特に高いわけではありませんが、毎日の食事に自然と取り入れやすい食材がそろっています。
ブロッコリーやドライトマトなど、調理の手間が少ないものも多く、他のビタミンやミネラルと一緒に摂取できる点が魅力です。
このランキングでは、日常使いしやすい野菜を中心に、100gあたりのパントテン酸含有量が多い順にまとめています。
栄養バランスを意識したい方や、野菜の取り入れ方を工夫したい方におすすめの情報です。
食品 | 100g当たりの含有量 |
---|---|
ブロッコリー(焼き) | 1.99 |
ドライトマト | 1.08 |
紫蘇(生) | 1.00 |
胡瓜のぬかづけ | 0.93 |
あしたば(生) | 0.92 |
落花生(茹で) | 0.91 |
カリフラワー(茹で) | 0.84 |
豆苗(生) | 0.80 |
西洋かぼちゃ(焼き) | 0.77 |
くわい(茹で) | 0.75 |
パントテン酸の食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
パントテン酸は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」において、推奨量ではなく「目安量」が示されています。
これは、健康な人の摂取状況から得られた平均的な量をもとに設定されており、年齢や性別によって必要量が少しずつ異なります。
以下の表では、最新(2020年版)の食事摂取基準に基づいて、パントテン酸の目安量を年齢・性別別にまとめました。
毎日の食事の見直しや、栄養管理の参考にご活用ください。

パントテン酸は多くの食品に含まれているため、バランスのよい食事を心がけていれば、特別に不足しやすい栄養素ではありません。
ただし、加工食品に偏った食生活や、ストレス・妊娠・成長期など、体への負担が大きい時期には必要量が増えることもあります。
パントテン酸の英語表記

パントテン酸は、英語では以下のように表記されます。
- Pantothenic acid(パントテン酸)
- Vitamin B5(ビタミンB5)
食品成分表や海外サプリメント、英語の栄養情報では「Pantothenic acid」または「Vitamin B5」と表記されることが多く、両方を知っておくと便利です。
なお、成分表などで略される場合は、「B5」とだけ記載されていることもあります。
英語での表記例:
- Pantothenic acid 10 mg
(パントテン酸 10ミリグラム) - Vitamin B5 (Pantothenic acid)
(ビタミンB5〈パントテン酸〉) - Each capsule contains: Vitamin B5 – 6 mg
(1カプセルあたり:ビタミンB5 – 6ミリグラム) - % Daily Value: Pantothenic Acid – 120%
(1日の推奨摂取量に対する割合:パントテン酸 – 120%)
このような英語表記は、サプリメントや海外の食品パッケージだけでなく、海外文献や論文でも使われています。
Vitamin B5 = Pantothenic acid という関係を知っておくと、英語の成分表示もスムーズに理解できます。
ストックできる食材でパントテン酸を
パントテン酸は豆類・野菜類に豊富。冷凍野菜ミックスや下処理済みの豆セットが便利です。⇒オイシックスで有機野菜無添加などの安心野菜を試す
パントテン酸についてまとめ
- パントテン酸はビタミンB群のひとつ(ビタミンB5)で、水溶性の栄養素です
- 主にエネルギー代謝やホルモンの合成に関わり、体のさまざまな機能をサポートします
- 多くの食品に含まれており、レバー類・卵・魚介類・きのこ類などが比較的豊富です
- 通常の食生活で不足することは少ないですが、ストレスや偏食、成長期・妊娠中などは注意が必要です
- 食事摂取基準では「目安量」が年齢・性別ごとに設定されています
- 英語表記は Pantothenic acid または Vitamin B5 とされ、海外製品の表示にも使われます
- バランスの取れた食事を意識することで、自然と必要量を摂取することができます