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ビタミンEとは?その特徴と働き

ビタミンEとは?その特徴と働き
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、主に抗酸化作用を持つことで知られている栄養素です。熱に比較的強く、油との相性が良いため、炒め物や揚げ物など油を使う料理でも安定しています。
トコフェロールとトコトリエノールの違い
ビタミンEは「トコフェロール(α・β・γ・δ)」と「トコトリエノール(α・β・γ・δ)」に分類されます。その中でもα-トコフェロールは体内で最も多く存在し、生理作用が強いとされており、日本の食事摂取基準でもα-トコフェロールを基準に推奨量が設定されています。
✅ 本ページでは、ビタミンEの含有量として「α-トコフェロール」の値を中心にご紹介しています。
主な働きと特徴
- 抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防ぐはたらきに関与しています
- 生体膜の機能維持や赤血球の安定化に関わるとされます
- 油脂類やナッツ類、魚介類、緑黄色野菜に多く含まれています
- 食品の酸化防止の目的で、食品添加物としても利用されています
- ビタミンCと一緒に摂ることで、ビタミンEの働きをサポートするといわれています
ビタミンEの欠乏と過剰摂取について
通常の食生活においてビタミンEが不足することはまれです。明らかな欠乏症状は起こりにくいとされていますが、極端に不足した場合は神経機能への影響などが報告されることもあります。
一方で、過剰摂取に関しても通常の食事から摂りすぎることはほとんどありません。ただし、サプリメントなどを継続的に多量に摂取する場合は、摂取量に注意が必要です。
種類別|ビタミンEの含有量|トップ10
油脂類|ビタミンE|含有量ランキング

油脂類はビタミンEを豊富に含む代表的な食品群で、特に植物油に多く含まれています。
本ランキングでは、家庭でよく使われる油が中心になっています。揚げ物や炒め物に使うことで、効率よくビタミンEを摂ることができます。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ひまわり油 | 39.0 mg |
| ぶどう油 | 28.0 mg |
| 綿実油 | 28.0 mg |
| サフラワー油 | 27.0 mg |
| 米ぬか油 | 26.0 mg |
| とうもろこし油 | 17.0 mg |
| ファットスプレッド | 16.0 mg |
| マーガリン | 15.0 mg |
| なたね油 | 15.0 mg |
| 大豆油 | 10.0 mg |
種実類|ビタミンE|含有量ランキング

アーモンドやヘーゼルナッツなどの種実類は、手軽に食べられるスナックとしても人気で、ビタミンEが豊富なことで知られています。日常的に購入しやすく、乾燥100gなどの非現実的な条件を避けた、実用的な食材をランキングしています。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| アーモンド(炒り) | 29.0 mg |
| ヘーゼルナッツ(フライ) | 18.0 mg |
| まつ(炒り) | 12.0 mg |
| 落花生(炒り) | 11.0 mg |
| ピーナッツバター | 4.8 mg |
| ブラジルナッツ(フライ) | 4.1 mg |
| ペカン(フライ) | 1.7 mg |
| ピスタチオ(炒り) | 1.4 mg |
| とうびし(ゆで) | 1.2 mg |
| くるみ(炒り) | 1.2 mg |
野菜類|ビタミンE|含有量ランキング

緑黄色野菜にはビタミンEが多く含まれている傾向があります。
このランキングでは、普段の食卓によく登場する野菜を中心に、α-トコフェロールの含有量が高いものをピックアップしています。炒め物やスープなど、油と一緒に調理することで吸収効率が高まるといわれています。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ドライトマト | 18.0 mg |
| 西洋かぼちゃ(焼) | 6.9 mg |
| 落花生(茹で) | 6.8 mg |
| ブロッコリー(焼き) | 6.0 mg |
| ブロッコリー(油いため) | 5.8 mg |
| オレンジピーマン(油いため) | 5.2 mg |
| 大根の葉(茹で) | 4.9 mg |
| ほうれんそう(油いため) | 4.6 mg |
| とんぶり(ゆで) | 4.6 mg |
| にら(油いため) | 4.1 mg |
魚介類|ビタミンE|含有量ランキング

魚介類にもビタミンEが含まれており、とくに脂ののった魚に多い傾向があります。
ここでは、スーパーで手に入りやすい魚介類や、一般家庭でよく食べられているものを中心に選び、現実的な摂取を意識したランキングとしました。
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| からすみ | 9.7 mg |
| 牡蠣(燻製油漬け缶詰) | 9.5 mg |
| いくら | 9.1 mg |
| あゆ(焼き) | 8.2 mg |
| たらこ(焼き) | 8.1 mg |
| めんたいこ | 6.5 mg |
| めかじき(焼き) | 6.1 mg |
| 大西洋鮭(ソテー) | 6.0 mg |
| にじます(焼き) | 5.9 mg |
| まいわし(フライ) | 5.7 mg |
果実類|ビタミンE|含有量ランキング

果物はビタミンEの含有量が多いわけではありませんが、一部の果実には注目すべき量が含まれています。
本ランキングでは、日常的に食べやすい果物を中心に紹介しています
| 食品 | 100g当たりの含有量 |
|---|---|
| ドライマンゴー | 6.8 mg |
| グリーンオリーブ(塩漬) | 5.5 mg |
| ブルーベリー(乾) | 5.1 mg |
| ブラックオリーブ(塩漬) | 4.6 mg |
| アサイー(冷凍) | 3.7 mg |
| 柚子(果皮)生 | 3.4 mg |
| アボカド(生) | 3.3 mg |
| きんかん(生) | 2.6 mg |
| キウイフルーツ(生) | 2.5 mg |
| マンゴー(生) | 1.8 mg |
ビタミンEの食事摂取基準|年齢・性別別の必要量を解説!
ビタミンEの摂取量は、年齢や性別によって異なります。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、「α-トコフェロール」のみを対象として目安量および耐容上限量が設定されています。
以下の表では、「年齢・性別ごとに1日あたりに推奨されるビタミンEの量(mg)」を一覧にまとめています。
健康的な食生活の参考としてご覧ください。

この表は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいて作成されており、α-トコフェロールの摂取量のみを対象としています。
他のトコフェロール(β・γ・δ)やトコトリエノールは含まれていません。
耐容上限量とは、「この量を長期的に摂取しても健康リスクがほとんどないと考えられる上限値」を指します。
通常の食生活でビタミンEが過剰になることは稀ですが、サプリメントなどを利用する場合はこの上限量にも注意が必要です。
ビタミンEの英語表記

ビタミンEは英語で Vitamin E(ビタミン イー) と表記されます。
特に成分表やパッケージ裏面、サプリメントの説明書などでは、**「α-Tocopherol(アルファ トコフェロール)」**という成分名で記載されていることが多くあります。
▼ ビタミンEに関する主な英語表記一覧
| 日本語 | 英語表記 | 読み方の例 |
|---|---|---|
| ビタミンE | Vitamin E | ヴァイタミン イー |
| α-トコフェロール | α-Tocopherol | アルファ トコフェロール |
| β-トコフェロール | β-Tocopherol | ベータ トコフェロール |
| γ-トコフェロール | γ-Tocopherol | ガンマ トコフェロール |
| δ-トコフェロール | δ-Tocopherol | デルタ トコフェロール |
| トコトリエノール | Tocotrienol | トコトリエノール |
▼ サプリメントなどで見かける表記の例
- d-α-Tocopherol:天然型のビタミンE(食品やサプリメントに使われます)
- dl-α-Tocopherol:合成型のビタミンE(食品添加物などに使われることも)
一般的に、天然型(d-α-Tocopherol)のほうが体内での利用効率が高いといわれています。
ビタミンEまとめ|おさえておきたいポイント
- ビタミンEは脂溶性ビタミンで、油との相性が良い
- 抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防ぐ働きに関与している
- ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールに分かれ、α-トコフェロールがもっとも活性が高い
- 日本の食事摂取基準では、α-トコフェロールのみが対象とされている
- ナッツ類、植物油、魚介類、緑黄色野菜に多く含まれる
- 通常の食事で不足することは少ないが、サプリメントの摂取は上限量に注意
- 英語ラベルでは「Vitamin E」「Tocopherol」などの表記に注目
- 油と一緒に調理すると、吸収率が高まるとされている
- α-トコフェロールの含有量を基準に、食品ランキングや摂取量の目安を確認するのがおすすめ
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