蒟蒻芋(こんにゃくいも)ってどんな食材?旬・作り方・栄養・品種を紹介

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蒟蒻芋 こんにゃくいも(konnyaku potato)
 

蒟蒻芋(こんにゃくいも)とは?どんな食材?

  • サトイモ科に属する多年草植物の地下茎(球茎)部分
  • 強いアクがあるため、生では食べられない
  • すりおろして水と凝固剤(水酸化カルシウムなど)を加え、加熱することで「こんにゃく」になる
  • 加工後はぷるぷるとした独特の食感に
  • 日本では群馬県が主産地(国内生産の約90%以上)
  • 通常は3年かけて栽培される「三年芋」が加工に使われる
  • 表面はゴツゴツした形状で大きく、見た目はやや不格好
  • こんにゃくは低カロリー・食物繊維が豊富な健康食材として人気
  • 昔から日本の伝統食品として親しまれている
 

蒟蒻芋の旬と出回り時期

蒟蒻芋(こんにゃくいも)が収穫されるのは、秋から冬にかけて。特に11月〜1月頃が旬とされていて、この時期に掘りたての蒟蒻芋が出回ります。

とはいえ、蒟蒻芋そのものを見かけることはあまりなく、私たちの食卓に並ぶのは、加工された「こんにゃく」の形がほとんど。
こんにゃく自体は一年中手に入りますが、元になる芋にはちゃんと旬があるんです。

このページでは、蒟蒻芋がどの季節に収穫され、どの時期に出回るのかをわかりやすくまとめたカレンダーを紹介しています。旬の時期を知ることで、よりおいしい国産こんにゃくを選ぶ参考にもなりますよ。

こんにゃくいも

▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】

 

蒟蒻芋から蒟蒻ができるまで(手作り工程も紹介)

私たちがふだん食べているこんにゃくは、実はこんにゃく芋をすりおろして加工したもの。昔ながらの方法では、家庭でも作ることができます

蒟蒻芋は強いアクがあるため、そのままでは食べられません。
「水」と「凝固剤」を加えて加熱し、固めることで、あのぷるんとした独特の食感が生まれます。

以下は、手作りこんにゃくの基本的な流れです。

  1. 蒟蒻芋をよく洗い、皮をむく
  2. すりおろす(フードプロセッサーを使うと便利)
  3. 水を加えて混ぜ、ペースト状にする
  4. 凝固剤(灰汁や水酸化カルシウム)を加えてよく混ぜる
  5. 室温で少し置いてから、熱湯で茹でる(しっかり固まります)
  6. 粗熱を取ったら、水にさらして完成!

手間はかかりますが、できたてのこんにゃくは市販品とは一味ちがう美味しさ。芋の風味がしっかり感じられて、モチモチ食感がクセになりますよ。

こんにゃくの作り方

  1. 蒟蒻芋をすりおろす
  2. ミキサーで撹拌する
  3. 10分程度こねる
  4. 凝固剤(水酸化カルシウム)を入れ、混ぜる
  5. バットに入れしばらく放置する
  6. 適当な大きさに切り40分程度茹でる
  7. 茹でた水のまま保存
 

蒟蒻芋の主な品種と特徴

その他の在来品種
各地に少量残る昔ながらの在来種は、風味が強く個性があるが、収量や病気耐性に課題がある。

あかぎ大玉
群馬県で多く栽培されている代表的な品種。収量が多く、芋が大きく育ちやすい。加工適性も高い。

みやままさり
病気に強く、育てやすい品種。肌の色が白っぽく、品質が安定している。やや小ぶりだが味が良い。

こなぐれ(古くからの在来種)
こんにゃく特有の風味が強く、弾力のある食感が特徴。ただし栽培や収穫に手間がかかるため希少。

はるな
あかぎと似た系統で、比較的病気に強く安定した収穫が見込める。加工時の粘りがしっかり出る。

 

蒟蒻芋の栄養成分と注目ポイント

蒟蒻芋そのものの栄養成分は、一般的な食品成分表には掲載されていません。
ここでは、蒟蒻芋から作られる「こんにゃく精粉(蒟蒻芋を乾燥・粉末化したもの)」の成分を参考にご紹介します。

こんにゃく精粉には食物繊維(グルコマンナン)が豊富に含まれており、腸内環境を整えるはたらきで知られています。また、糖質・脂質・たんぱく質はほとんど含まれず、非常に低カロリーな素材です。

以下は、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づいた、こんにゃく精粉の栄養成分です。

こんにゃく(精粉)

可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー194
水分6.0g
タンパク質3.0g
脂質0.1g
食物繊維(総量)79.9g
炭水化物85.3g
ナトリウム18
カリウム3000
カルシウム57
マグネシウム70
リン160
2.1
亜鉛2.2
0.27
マンガン0.41
ヨウ素4
セレン1
クロム5
モリブデン44
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.2
ビタミンK
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB61.20
ビタミンB12
葉酸65
パントテン酸1.52
ビオチン4.5
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。

▶ 摂取量の目安を知りたい方はこちら
【2025年度版】日本人の食事摂取基準一覧(年齢別の摂取量)
→ 厚生労働省の最新版をもとに、年齢・性別ごとの1日の推奨摂取量を一覧表にまとめています。

 

蒟蒻芋に関する豆知識・よくある質問

ここでは、蒟蒻芋についてよくある疑問や、ちょっとした豆知識をご紹介します。

Q. 蒟蒻芋ってそのまま食べられるの?
いいえ、蒟蒻芋はアクが非常に強く、生では食べられません。加熱してもそのままでは刺激が強いため、加工して「こんにゃく」にすることで安全に食べられます。

Q. 蒟蒻芋って毒があるの?
毒というわけではありませんが、シュウ酸カルシウムなどの刺激成分が含まれており、加熱や加工をせずに食べると舌がピリピリすることがあります。

Q. こんにゃくは芋から全部作っているの?
はい、伝統的なこんにゃくは蒟蒻芋から作られています。ただし市販の一部こんにゃくには、蒟蒻粉(精粉)を使用したものもあります。

Q. 蒟蒻芋って育てられるの?
育てることは可能ですが、収穫までに3年ほどかかるうえ、病気に弱く栽培が難しいため、家庭菜園にはあまり向いていません。

Q. 蒟蒻芋と里芋は似ているの?
どちらもサトイモ科で見た目は似ていますが、蒟蒻芋はよりゴツゴツして大きく、アクが強いのが特徴です。食用としての用途もまったく異なります。

 

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