【よくわかるレシピ】煮物の基本とコツ|定番レシピ一覧と味付けの黄金比

【【よくわかるレシピ】煮物
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煮物は家庭料理の定番ですが、「味がしみない」「煮崩れする」「同じ味になってしまう…」と悩むことが多い料理でもあります。実は、煮物は下ごしらえ・味付けの黄金比・火加減という基本さえ押さえれば、誰でも安定しておいしく仕上げられる料理です。

このページでは、煮物の基本や失敗しないコツ、味付けの考え方を現役調理師の視点でわかりやすく整理しました。また、食材や料理名で探せる煮物レシピ一覧も掲載しているので、その日の食材や献立に合わせて活用できます。

煮物の基礎をしっかり理解したい方
初心者向けのわかりやすい指標が知りたい方
いろんな煮物レシピを探したい方

に向けた【よくわかるレシピ】シリーズの煮物ガイドです。この1ページさえ見れば、煮物で迷わなくなります。

まずは煮物という料理の基本から見ていきましょう。

煮物とは?~基本の考え方~

煮物とはだしや調味料で食材に火を通し、味を中まで含ませて仕上げる料理のことです。対流する煮汁の中でゆっくりと加熱するため、素材の食感と旨味を活かしながら、味を調和させやすい技法です。特に和食の煮物は、「だしの旨味」「調味料の重ね方」「火加減」の3つが味を決める鍵となります。

煮物は大きく次の流れで完成していきます。

工程役割
下ごしらえ臭みを取り、味を入りやすくする準備
煮る(火入れ)食材の状態に合わせて火加減を調整
味を含ませる煮汁をなじませ、余熱や時間で仕上げる

つまり、煮物とは・・・

→ 下ごしらえで土台を整える
→ 火加減で形と食感を守る
→ 時間で味を仕上げる

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

煮物は“時間が味をつくる料理”
煮込む時間・火加減・味を含ませる時間の3つを意識するだけで、仕上がりは劇的に変わります。


煮物をおいしくする味付けの黄金比

煮物の味付けは複雑に思われがちですが、味の柱は「塩味・甘味・旨味・香り」の4要素です。これをバランスよく整えることで味にまとまりが生まれます。
和食の煮物でよく使う調味料の黄金比は次のとおりです。

調味料目安の割合
だし10
醤油1
みりん1
砂糖0.5〜1

この 「10:1:1:0.5〜1」 を基準にすると、どの煮物でも味がブレにくく、食材の持ち味を邪魔せず仕上げることができます。まずはこの比率からはじめて、甘さや塩味を足したい場合は、醤油と砂糖を少量ずつ足すのが基本です。


煮物で味が決まる“順番”

煮物は 味付けの順序でも仕上がりが変わります。

段階調味料
① だし味の土台(旨味を含ませる)
② 砂糖・みりん甘味は浸透が遅いため先に含ませる
③ 醤油香り成分が飛びやすいので後半で入れる
④ 仕上げの塩 or 醤油少量最後に味を調える

この流れを守るだけで、味がぼやけたり、醤油だけ濃く感じる失敗が激減します。


味を調整する時の考え方(プロの応用)

仕上げ方向調整ポイント
味を締めたい醤油 or 塩をほんの少量
甘みを足したい砂糖 or みりんを少量
まろやかにしたいみりん少し+火を弱める
コクを足したい酒 or だしを少量追加して煮含める

煮物は味を“足す”より“整える”料理
大きく足すと味が濁るため、少量ずつが鉄則

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現役和食調理師のヒント

煮物の味は「煮る時間」より 火を止めてからの“なじむ時間” で決まります。沸騰の勢いを抑え、弱火〜中火でゆっくり味を入れるのが失敗しないコツです。


失敗しない煮物~3つのコツ~

煮物は 下ごしらえ・火加減・味を含ませる時間 の3つを押さえることで驚くほど仕上がりが安定します。特に水分量が味を左右する酢の物とは違い、煮物は “余分を取り、旨味を含ませる” ことが成功へのポイントです。


① 下ごしらえで“味の入り口”を作る
煮物は仕込みの段階で仕上がりの8割が決まります。下ごしらえは雑味を取り“旨味だけを残す作業”これを丁寧に行うだけで、煮汁のキレと上品さが格段に変わります。

下ごしらえのポイント理由
根菜は下茹でしてエグ味を取る味が澄み、煮汁の香りを邪魔しない
油揚げ・こんにゃくは下処理油臭さや雑味を取り、味が入りやすくなる
魚介類は霜降り(湯通し)臭みを取り、煮崩れを防ぐ
肉類は余分な脂と血抜き煮汁が濁らず、上品な味わいになる

② 火加減は“最初は強め→あとは弱火”が基本
煮物は 火の入れ方で食感と味のなじみ方が決まる料理です。弱火=煮物の“味を育てる時間。勢いよく沸かさないことが、プロの仕上がりに近づくコツです。

火加減状態と意味
沸騰までは中火〜強火素材の温度を一気に上げ、煮汁を含ませる準備
沸いたら弱火でコトコト対流が穏やかになり、味が均一に入る
強火を続けるのはNG煮崩れ・味の濁り・香り飛びの原因

③ 味を含ませるのは“火を止めてから”
煮物の味は 火を止めてから冷める過程で最も浸透します。煮物は“鍋の余韻で仕上げる料理”時間を味方にすることで、驚くほど味が変わります。

シーンすべきこと
調味後の煮込み7〜9割の味にとどめる
火を止めて放置(余熱)味を中までじんわり含ませる
再加熱は弱火で短く香りと食感を守るため
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現役和食調理師のヒント

煮物に必要なのは「手間」ではなく「段取り」
下ごしらえで雑味を取り、火加減で煮崩れを防ぎ、余熱で味を含ませる。


煮物レシピ一覧

煮物は季節の野菜や魚介、肉など、組み合わせによって味わいの幅が大きく広がる料理です。以下の表では、煮物レシピを食材別・料理名別に探しやすく一覧でまとめました。 家にある食材から探すのはもちろん、献立のテーマに合わせてレシピを選ぶこともできます。

食材料理名
小豆あずきあんこ
青菜あおな
油揚あぶらあ
青菜あおな油揚あぶらあげの煮物にもの
独活うど独活うど白煮しらに
雪花菜おからおからの炒り煮
南瓜かぼちゃ南瓜の煮物
がんもどき
干し椎茸
がんもどきと椎茸の含め煮
牛蒡ごぼう金平牛蒡きんぴらごぼう
大豆だいず
牛蒡ごぼう
蒟蒻こんにゃく
五目豆ごもくまめ
栄螺さざえ栄螺の旨煮
薩摩芋さつまいも薩摩芋の檸檬煮
里芋さといも
烏賊いか
里芋さといも烏賊いか煮物にもの
里芋さといも里芋さといも土佐煮とさに
大根だいこん大根と厚揚げの煮物
たけのこ筍の土佐煮
鶏肉とりにく
牛蒡ごぼう
筑前煮ちくぜんに
冬瓜とうがん冬瓜と鶏肉の煮物
冬瓜とうがん冬瓜のそぼろ餡
冬瓜とうがん冬瓜の煮物
冬瓜とうがん冬瓜とうがん翡翠煮ひすいに
長芋長芋の含め煮
茄子なす茄子なす田舎煮いなかに
牛肉
じゃがいも
肉じゃが
ふき蕗の甘辛煮
プチトマトプチトマトのワイン漬け
大根だいこん風呂吹き大根
根深葱ねぶかねぎ焼きネギの煮びたし
蓮根れんこん蓮根れんこん土佐煮とさに

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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