薄口醤油 うすくちしょうゆ (Light color soy sauce)

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薄口醤油
 

うすくち醤油とは ~特徴

  • 漢字では「薄口醤油」「淡口醤油」
  • 英語では「light soy sauce」「light colored soy sauce」「Usukuchi-shoyu」
  • 江戸時代に円尾孫右衛門が作り出したと言われる
  • 京都の精進料理や懐石料理に用いられた
  • 関西地方発祥の醤油である
  • 醤油全体消費の約12%を占めている
  • 薄口と表記すると味が薄いと勘違いしがちなので「淡口」と表記される
  • 色は濃口醤油の1/3の淡さである
  • 一般的に醤油と記されているときは「濃口醤油」を指す
  • 基本的に調理用で卓上用には向かない
  • あまり色を出したくないときに使うとよい
  • 家庭用製品はペットボトルの小型商品が主流になっている
  • 味と鮮度を保つため、空気に触れないよう工夫したパウチやボトル形態の商品がある

うすくち醤油の味わい
塩分は18~19%
素材の味を生かすため、色や香りが抑えられている
濃口醤油よりも色が薄く、味が薄いと勘違いしやすいが、塩分は高い
昆布だしとの相性が良い
関西ではよく使われる (出汁を利かすために薄口醤油を使う)
素材の味を生かす炊き合わせや含め煮などの料理に適合する

うすくち醤油の働き
塩分が多いので浸透圧の働きによって、水分が引き出される
防腐作用がある
素材の持ち味を生かす
素材の色を生かす

うすくち醤油の生産
こいくちしょうゆと同様、大豆と小麦をほぼ等量使用している
色を淡くするために、仕込みの際に食塩水の量を多くしている
味をまろやかにするため、米を糖化させた甘酒を使用することもある

 

うすくち醤油の重さ (計量カップ)

小さじ6 g
大さじ18 g
1カップ230 g
調味料別一覧表 / 大さじ&小さじ&カップの重さ(g)
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【一覧表】調味料の大さじ・小さじの重さを調べる
https://japanese-food.net/top-page/weight-table/
 

醤油 (全般)の保存

  • 醤油は時間がたつと風味が落ち、色が濃くなる (酸化)
  • 空気に触れると酸化し、色が濃くなる
  • 温度が高くなると酸化が早くなり、風味が落ちる
  • 塩分が多く腐りにくいがカビが発生することがある
  • 直射日光を避け冷暗所に保存
  • 開封後は空気に触れ、酸化が進むので冷蔵庫保存が好ましい
  • 開封後は早めに使いきるようにする (一か月程度)
 

ネットで買える全国のうすくち醤油

【滋賀県】えんどう
(第47回令和元年全国醤油品評会優秀賞受賞)

 

うすくち醤油を使った料理

  • うどんだし
  • 若竹煮
  • 肉じゃが
  • おでん
  • 茶碗蒸し
  • 煮物
  • 炊き込みご飯
  • 雑炊
 

うすくち醤油の栄養素 (食品成分表)

可食部100g当たり

うすくちしょうゆ

廃棄率0 %
エネルギー60 kcal
水分69.7 g
タンパク質5.7 g
脂質
炭水化物5.8 g
ナトリウム6300 ㎎
カリウム320 ㎎
カルシウム24 ㎎
マグネシウム50 ㎎
リン130 ㎎
1.1 ㎎
亜鉛0.6 ㎎
0.01 ㎎
マンガン0.66 ㎎
ヨウ素1 ㎍
セレン6 ㎍
クロム2 ㎍
モリブデン40 ㎍
ビタミンA (レチノール)
ビタミンA (β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE (トコフェロールα)
ビタミンK
ビタミンB10.05 ㎎
ビタミンB20.11 ㎎
ナイアシン1.0 ㎎
ビタミンB60.13 ㎎
ビタミンB120.1 ㎍
葉酸31 ㎍
パントテン酸0.37 ㎎
ビオチン8.4 ㎍
ビタミンC
食物繊維 (総量)
「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から引用
 

醤油全体の解説

醤油は3つの醸造法式で作られる
分かりやすく言うと
本醸造 = 調味液なし
混合醸造法式 = もろみに調味液を加える
混合方式 = 生揚げ醤油に調味液を加える

本醸造しょうゆこうじに食塩水を加えて仕込み、これを発酵、熟成させる最も一般的な方式であり、しょうゆの生産量の85%がこの方式である
混合醸造法式本醸造方式でできた「諸味」にアミノ酸液、または酵素分解調味液あるいは発酵分解調味液を加え、1ヶ月以上撹拌しながら発酵・熟成させて造る
混合方式本醸造方式によって造られた生揚げしょうゆに、アミノ酸液、または酵素分解調味液あるいは発酵分解調味液を加えて造る

しょうゆの等級 (品質基準)

JASの認定工場で作られ、JAS規格に合格したしょうゆはJASマークをつけることができる
非認定工場の製品にはJASマークはつけられない
認定工場の製品にはJASマークをつけるか、つけないかは任意とされてる
JAS規格により特級、上級、標準の3段階に分けられている
そのうち「特級」には「特選」「超特選」に分けられている
①特級=醸造法式が「本醸造」の物で成分が一定以上の物(下記参照)
 ※超特級=特級の無塩可溶性固形分の1.2倍以上
 ※特級=特級の無塩可溶性固形分の1.1倍以上
②上級、標準=「混合醸造法式」「混合方式」で成分が一定以上の物

うすくち全窒素分 (%)色度 (番)無塩可溶性固形分 (%)
特級1.15 以上22 以上14 以上
上級1.05 以上22 以上12 以上
標準0.95 以上18 以上

窒素分の多いものほど、うま味がある (しょうゆのうま味成分であるグルタミン酸やアミノ酸類は、必ず窒素分を含んでいることから)
色度は「しょうゆの標準色」の番数。番数が小さくなるほど色がこくなり、番数がおおきくなるほど色は淡くなります
無塩可溶性固形分は醤油に溶け込んでいる食塩以外の糖分、アミノ酸、有機酸の成分の多少を示す数値

 

うすくち醤油についてまとめ

醤油全体の約12%しか流通してない
関西地方で好まれて使われている
塩分は18~19%、色は濃口醤油の1/3の淡さである
卓上には向かない
素材の味を生かす炊き合わせや含め煮などの料理に適合する
塩分が多いので浸透圧の働きによって、水分が引き出される
魚類や肉類の生臭みを消す