赤鯥(アカムツ)の旬・食べ方・英語表記|現役調理師が解説

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赤鯥(あかむつ)の旬

赤鯥(アカムツ)の旬は、秋から冬にかけてです。特に脂がのって美味しくなるのは10月~2月の寒い時期。水温の低下とともに身が締まり、白身にしっかりと脂がまわるため、刺身や焼き物に最適です。

地域によって水揚げ時期に若干の違いがあり、日本海側では初冬、太平洋側では晩秋から冬が最も味のよい時期とされています。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

赤鯥は冬の白身魚の中でも特に脂の質がよく、焼いたときの香りが格別。塩焼きや炙りにするなら、11月〜1月がベストです。

赤鯥(アカムツ)とは ~味・特徴・分類~

赤鯥 あかむつ(Blackthroat seaperch)

赤鯥(あかむつ)は、スズキ目ホタルジャコ科に属する深海魚で、標準和名は「アカムツ」です。関東以西では「のどぐろ」の名でも知られ、高級魚として全国の市場で人気があります。

名前の由来は、体の色が赤く、のど(咽頭部)の内側が黒いため「のどぐろ」と呼ばれるようになりました。

特徴と分類

特徴項目内容
分類スズキ目ホタルジャコ科アカムツ属
体長約30~40cm(大きい個体は50cmを超える)
生息域水深150~300mの深海(主に太平洋・日本海)
主な産地山陰地方、北陸、長崎、静岡など
呼び名のどぐろ、ギンムツ(混同されやすい別種あり)

味と食感の魅力

赤鯥の最大の魅力は、その上品な脂ととろけるような白身にあります。刺身で食べれば甘味が際立ち、焼けば皮目の香ばしさと脂の旨味が絶品。特に冬場は脂がのって、まさに“和食のごちそう魚”といえる存在です。

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アカムツは皮目を炙ると脂がジュワッと広がり、刺身でも塩焼きでも格別の仕上がりになります。プロの料理人の間でも“別格の白身魚”として重宝されています。

地方名

  • アカモツ
  • オオメ
  • ノドグロ
  • メッキン
  • メキン
  • アカウオ
  • メブト
  • キンギョウオ
  • ギョウスン

赤鯥の目利き(選び方)

赤鯥(アカムツ)は高級魚のため、購入する際は鮮度と脂のりをしっかり見極めることが大切です。以下のポイントを押さえると、美味しい一尾を選ぶことができます。

良いアカムツを見分けるポイント

見るべき部分チェックポイント
黒目が澄んでいて、濁りがない
体表うろこがきれいで、赤い体色にツヤと張りがある
エラ鮮やかな赤色をしており、血がにじんでいない
ふっくらと丸みがあり、弾力がある
におい生臭さが少なく、潮の香りがする

⚠️ 傷み始めたアカムツは、体表の赤がくすみ、目が白く濁ってきます。脂のりも悪くなり、旨味が落ちるため避けましょう。

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購入時は“腹がやわらかくなっていないか”を軽く押して確認。柔らかい場合は内臓から傷んでいる可能性があります。お刺身や炙り用なら、鮮度は特に重要です。

アカムツと相性の良い食材・食べ合わせ

アカムツは上品な脂と旨味の強い白身魚で、あっさりした食材や香りのある素材と特に相性が良く、和食・洋食問わず幅広い料理に活用できます。

アカムツと相性の良い食材一覧

食材例合わせ方・理由
生姜
ねぎ
大葉
煮付けや蒸し物に加えると脂をさっぱりと引き立てる
すだち
ゆず
レモン
焼き物や刺身に添えると風味がアップし後味も爽やか
ごぼう
大根
人参
煮付けや鍋料理で旨味を吸って深みのある味に仕上がる
椎茸
えのき
しめじ
酒蒸しや煮物に加えると香りと食感のバランスがよい
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アカムツの脂は香りがよく、すだちや大根おろしなど“引き算の食材”と合わせると、より上品に引き立ちます。煮付けにするなら、ごぼうやネギがとてもよく合います。

赤鯥の栄養素(食品成分表)

公式な【日本食品標準成分表(八訂・増補2023)】上で「アカムツ(のどぐろ)」という項目が 明確に掲載されているとは確認できていません。※参照元→のどぐろ 新潟市

栄養素単位
廃棄率%
エネルギー
水分69.7g
タンパク質19.6%
脂質12.6%
食物繊維(総量)g
炭水化物g
ナトリウム85
カリウム390
カルシウム25
マグネシウム26
リン180
0.5
亜鉛
マンガン
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)8
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD4
ビタミンE(トコフェロールα)0.9
ビタミンK
ビタミンB10.03
ビタミンB20.16
ナイアシン
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸
パントテン酸
ビオチン
ビタミンC
参照「新潟市の水産物【のどぐろ】」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

漢字・英語表記・読み方

表記項目内容
漢字赤鯥(あかむつ)
通称のどぐろ(喉黒)
英語表記Blackthroat seaperch
カタカナ読みブラックスロート・シーパーチ
発音記号[ˈblækˌθrɔːt ˈsiːˌpɜːrtʃ]
学名Doederleinia berycoides
(ドーデルライニア・ベリコイデス)

「blackthroat seaperch」は直訳で「黒い喉を持つ海の鱸(スズキ)」の意味。のどぐろという日本名と対応しており、輸出品や英語圏向けのレストランメニューではこの表記が使われています

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英語圏ではまだ知名度が高くないため、和名“nodoguro”をそのまま使うこともあります。海外の日本食レストランでは “Nodoguro (Blackthroat Seaperch)” と併記されることもあります

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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