くわいの栄養と効能|旬・保存・料理・慈姑の読み方や英語も紹介

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おせち料理に登場する「くわい」は、独特のほろ苦さとホクホクした食感が特徴の縁起物野菜です。「芽が出る」という意味を持ち、受験や就職などの門出を祝う料理にも使われます。

この記事では、くわいの栄養の特徴や旬の時期、保存方法、調理例、英語表記や漢字の読み方までわかりやすくご紹介。普段はなじみが薄いけれど、実は栄養価も高く、和食に欠かせない存在です。

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慈姑(くわい)の旬 ~おいしい時期~

くわい

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

慈姑とは ~解説~

慈姑 くわい(water chestnut)
  • オモダカ科の水生多年草で原産国は東南アジア(栽培品種は中国)
  • 別名「田草」「燕尾草(えんびそう)」「クワエ」
  • 日本では「おせち料理」に使われる
  • おせち料理で「芽が出る」縁起物として用いられる伝統野菜
  • 芽が出ているのが縁起物なので芽を切らないように注意する
  • 縁起の良い「松笠」に剥く
  • 色を出すために「クチナシの実」を使う
  • 年明けには値段が急激に下がる
  • アクが強いので下茹でする(皮を剥き、流水でさらし、米のとぎ汁で下茹でする)
  • ホクホクとした食感と、やや苦味のある風味が特徴
  • 地中にできる塊茎(かいけい)を食べる野菜
  • 芽がまっすぐ伸びるため、「出世くわい」とも呼ばれる
  • 主に広島県が一大産地で、正月用として12月に出荷のピークを迎える

味わい

百合根に似たほろ苦さがあり、煮物でほっくり感が楽しめる
青慈姑=ホクホクと下食感
白慈姑=シャリシャリとした食感が特徴

くわいの保存方法

  • 乾燥に弱い
  • ボウルなどに水を張り、慈姑を浸して保存する
  • 湿らせたペーパーに包みビニール袋に入れ野菜室で保存する
  • 下茹でして、冷凍保存できる

慈姑の主な種類

  • 大黒くわい
  • 青くわい
  • 吹田くわい
  • 白くわい

慈姑と相性の良い食材

  • 白だしや和風だし:くわいの苦味を引き立てつつまろやかに
  • 銀杏や里芋:おせちなどの煮物で相性が良い組み合わせ
  • にんじんや絹さや:彩りを添えてお祝い料理にもぴったり
  • 鶏肉や鰤(ぶり):煮物や炊き合わせにすると旨味が増す
  • 白味噌や田楽味噌:くわいのほろ苦さに甘味噌がマッチする

慈姑(くわい)の栄養素 ~食品成分表~

くわい(ゆで)
可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率0%
エネルギー129
水分65.0g
タンパク質6.2g
脂質0.1g
食物繊維(総量)2.8g
炭水化物27.2g
ナトリウム3
カリウム550
カルシウム5
マグネシウム32
リン140
0.8
亜鉛2.1
0.59
マンガン0.12
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.1
ビタミンK1
ビタミンB10.10
ビタミンB20.06
ナイアシン1.6
ビタミンB60.30
ビタミンB12
葉酸120
パントテン酸0.75
ビオチン
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

栄養素

  • 主成分はでんぷん質で、加熱するとホクホクとした口当たりに
  • カリウムを多く含み、体内の塩分バランスを整えるのに役立つ
  • ビタミンB1・B2・Cが含まれており、穏やかな栄養補給に適している
  • 食物繊維も含まれており、おなかにもやさしい
  • 苦味の成分には、昔ながらの薬膳的な観点から体を整える働きがあるとされている

「ほっくりデンプン×微量ミネラル」が武器。白く美しく仕上げる下処理と“芽を生かす”盛り付けで、行事食・日常どちらにも展開しやすい食材です。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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くわいの英語・漢字表記

くわいは漢字で「慈姑」と書きます。
読み方は「くわい」または「ジコ」とされますが、一般には「くわい」の呼び方が広く知られています。
英語では「arrowhead(アローヘッド)」または「water chestnut(ウォーター・チェスナット)」と訳されることがありますが、厳密には異なる植物を指す場合もあります。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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