彩り豊かで料理を華やかにしてくれる パプリカ。
実は色ごとに 栄養価や味の特徴が異なることをご存じですか?
赤・黄・オレンジの違いや、ピーマンとの関係、保存方法まで詳しく解説します。さらに、意外と知られていない パプリカの漢字表記や英語表記 も紹介。調理師歴25年以上の視点から、日々の食卓に役立つ情報をまとめました。
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パプリカの旬 ~おいしい時期~
パプリカ
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季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
パプリカの旬は「7月〜10月ごろ」
パプリカの国内産の旬は初夏から初秋です。
特にハウス栽培では5月下旬から出回り始め、夏にかけて最盛期を迎えます。
一方、冬から春にかけてはオランダや韓国などの輸入品が中心で、通年手に入りますが、国産の完熟パプリカは夏がもっとも甘くて香り豊かです。
パプリカとは~解説~

- 植物学的にはトウガラシと同じ仲間
- ピーマンに比べてサイズが大きくて肉厚で甘味がある大型種
- 見た目はピーマンに似ていますが、苦味が少なく、肉厚で甘みが強いのが特徴
- パプリカの栄養は色によって異なる
- 完熟した赤・黄・オレンジのパプリカは、ビタミンCやカロテンが豊富
- 香辛料としてのパプリカは、果肉を粉末状にしたものもあるが、辛味のあるものも存在する
色によって味・栄養が異なる
| 色 | 味の特徴 | 主な栄養素 |
|---|---|---|
| 赤 | 甘みが強くジューシー | β-カロテン、カプサンチン |
| 黄 | あっさりしてクセが少ない | ビタミンC、ルテイン |
| オレンジ | 甘さと酸味のバランスが良い | β-クリプトキサンチン |
ピーマンとの違いは?
パプリカとピーマンは同じ品種群ですが、パプリカは熟してから収穫するため色鮮やかで甘く、ピーマンよりもサイズが大きく、栄養価も高いのが特徴です。
パプリカと相性の良い食材 ~色別~
赤パプリカ × 旨み食材
甘みとコクが強く、加熱でさらにジューシーに。
- 鶏もも肉(ソテー・炒め物)
- 豚バラ肉(味噌炒め)
- トマト(ラタトゥイユやマリネ)
- 玉ねぎ・ズッキーニ(夏野菜とのグリル)

現役和食調理師のヒント
赤パプリカの甘さはバルサミコ酢や味噌とも好相性。
黄パプリカ × 酸味やさっぱり系
クセが少なく、ほのかな甘みがあるためさわやかな食材と相性◎
- レモン・ライム(マリネやサラダ)
- 白身魚(カルパッチョ・南蛮漬け)
- キュウリ・セロリ(さっぱり副菜)

現役和食調理師のヒント
香味野菜や柑橘類と合わせると、後味がすっきり仕上がります。
オレンジパプリカ × コクのある食材
赤・黄の中間の風味で、味のバランスがとりやすい万能型
- チーズ(モッツァレラ、フェタなど)
- アボカド(サラダ・ディップ)
- 卵(オムレツ・ピクルス)
- ハム・ソーセージ(彩りも◎)
パプリカの保存方法
パプリカは肉厚で水分が多いため、正しく保存しないと傷みやすい野菜です。
以下の方法で保存すれば、鮮度と栄養を長持ちさせることができます。
冷蔵保存(約1週間)
1個ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋または保存袋に入れて野菜室で保存します。
乾燥を防ぎつつ、呼吸による傷みを抑えられます。
- ※カットした場合は、種とワタを取り除き、ラップで包んで冷蔵庫へ。
2〜3日以内に使い切りましょう。
冷凍保存(約1か月)
生のままでも加熱後でも冷凍可能です。
【冷凍の手順】
- 洗って水気を拭く
- 種とワタを取り除く
- 使いやすい大きさにカット
- 保存袋に入れて冷凍庫へ
※凍ったまま炒め物やスープに使えます。
※解凍すると食感が柔らかくなるので、加熱調理向きです。

現役和食調理師のヒント
パプリカは皮が厚くて傷みにくそうに見えて、実はデリケート。冷蔵では乾燥、冷凍では食感に注意。
大量に手に入ったら、グリルしてマリネやペーストにする保存レシピもおすすめです。
主な品種群
- アナスタシア(ロシア原産の品種)
- ライムホルン
- バナナピーマン
- スイートペッパー
- ミニパプリカ
- フルーツパプリカ
- カラーピーマン
- ホワイトピーマン
パプリカ100gの画像

パプリカの栄養素 (食品成分表)
赤・黄ピーマン (生)
| 栄養素 | 黄 | 赤 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 10 | 10 | % |
| エネルギー | 28 | 28 | ㎉ |
| 水分 | 92.0 | 91.1 | g |
| タンパク質 | 0.8 | 1.0 | g |
| 脂質 | 0.2 | 0.2 | g |
| 食物繊維(総量) | 1.3 | 1.6 | g |
| 炭水化物 | 6.6 | 7.2 | g |
| ナトリウム | – | – | ㎎ |
| カリウム | 200 | 210 | ㎎ |
| カルシウム | 8 | 7 | ㎎ |
| マグネシウム | 10 | 10 | ㎎ |
| リン | 21 | 22 | ㎎ |
| 鉄 | 0.3 | 0.4 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.2 | 0.2 | ㎎ |
| 銅 | 0.04 | 0.03 | ㎎ |
| マンガン | 0.15 | 0.13 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | – | ㎍ |
| セレン | – | – | ㎍ |
| クロム | – | – | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 160 | 940 | ㎍ |
| ビタミンD | – | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 2.4 | 4.3 | ㎎ |
| ビタミンK | 3 | 7 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.04 | 0.06 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.03 | 0.14 | ㎎ |
| ナイアシン | 1.0 | 1.2 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.26 | 0.37 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | – | ㎍ |
| 葉酸 | 54 | 68 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.25 | 0.28 | ㎎ |
| ビオチン | – | – | ㎍ |
| ビタミンC | 150 | 170 | ㎎ |
色別・栄養の“使い分け”
- 赤は“抗酸化トリオが濃い”:ビタミンC・E・β-カロテンが黄より高め。彩り+栄養で生食や短時間加熱のメインに。
- 黄は“ビタミンCをしっかり”:Cは赤と同等レベルで高く、味は穏やか。サラダやピクルスで量を食べやすい。
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パプリカの英語・漢字表記

🧾 漢字表記
黄青椒(こうせいしょう)
「パプリカ」には正式な漢字は存在しませんが、まれに「黄青椒(こうせいしょう)」という当て字が使われることがあります。
ただし一般的ではないため、料理名やスーパーの表記ではカタカナの「パプリカ」が一般的です。
英語表記:Paprika
英語では「paprika」は2つの意味があります:
- paprika(/ˈpæprɪkə/ または /pəˈpriːkə/)
→ スパイス(乾燥パウダー)としての意味が強い(特にハンガリー料理) - bell pepper(ベルペッパー)
→ 野菜としてのパプリカ(赤・黄・オレンジの甘いピーマンのようなもの)
英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

現役和食調理師のヒント
日本では「パプリカ」は野菜の名前として使われますが、英語では粉末スパイスと区別して“bell pepper”と呼ぶことが多いので、レシピ検索のときは注意が必要です。
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