馬鈴薯とは?じゃがいもの栄養・種類・保存法をやさしく解説

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じゃがいもの旬~おいしい時期とカレンダー~

馬鈴薯 じゃがいも(Potato)
馬鈴薯 じゃがいも(Potato)

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馬鈴薯(じゃがいも)とは?~特徴・名前の由来~

じゃがいもは、ナス科ナス属の根菜で、地下にできる「いも(塊茎)」を食用にする野菜です。
日本では広く栽培されており、家庭料理から加工食品まで、さまざまな料理に使われています。

名前の由来

  • 漢字表記は「馬鈴薯(ばれいしょ)」
     →「馬鈴(ばれい)」とは、馬の首につける鈴のこと。
     → その形が似ていることから「馬鈴薯=馬の鈴のような芋」と呼ばれるようになりました。
  • 「じゃがいも」という呼び名は、江戸時代にジャカルタ(当時ジャガタラ)経由で伝わったことに由来します。
     →「ジャガタライモ(ジャガイモ)」が語源とされ、親しまれるようになりました。

特徴

  • ホクホクとした食感と淡白な味わいが特徴。
  • 加熱調理によって甘みと風味が増し、煮崩れ・粘りなど品種ごとの違いも楽しめます。
  • 保存性が高く、通年手に入る便利な食材。

相性の良い食材・食べ合わせ

じゃがいもはクセがなく、さまざまな食材と合わせやすい万能野菜です。
調理方法によって、風味や食感の相乗効果を楽しめます。

定番の相性の良い食材

  • バター × じゃがいも
     → 濃厚なコクが加わり、じゃがバター・グラタンに最適。
  • チーズ(ピザ用・とろける・パルメザン)
     → じゃがいもの甘みと塩気のバランスが◎。焼き料理におすすめ。
  • ベーコン・ソーセージ・ウインナー
     → 脂のうまみと塩気でじゃがいもの味が引き立つ。
  • 玉ねぎ・人参
     → カレーや肉じゃがなど、煮物・炒め物の基本の組み合わせ。
  • 牛乳・生クリーム
     → ポタージュやクリームシチューでクリーミーな仕上がりに。
  • ひき肉(合い挽き・豚・牛)
     → コロッケやミートグラタンに。ボリュームアップ食材。
  • ハーブ(ローズマリー・タイム)・にんにく
     → ローストポテトなど洋風メニューと相性抜群。
  • 鮭・たらなどの白身魚
     → クリーム煮やグラタンに。あっさり&こってりの好バランス。

じゃがいもの保存方法|常温・冷蔵・冷凍のコツ

じゃがいもは保存しやすい野菜ですが、保存場所や方法を間違えると品質が低下してしまうことも。
ここでは「常温・冷蔵・冷凍」それぞれの保存方法をわかりやすく紹介します。


常温保存(おすすめ)

  • 保存期間:約1〜2か月(適切な環境で)
  • 保存場所:風通しが良く、直射日光の当たらない冷暗所
  • ポイント
     - 新聞紙や紙袋に包んで呼吸を妨げないように
     - じゃがいも同士が重ならないように並べる
     - りんごを一緒に入れると発芽抑制(エチレン効果)
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

光に当たると芽が出やすくなり、ソラニン(毒素)を含む緑化が起きるので、必ず光の当たらない場所で保存しましょう


冷蔵保存

  • 保存期間:1週間程度
  • デメリット:低温障害で甘くなったり、食感が悪くなる
  • やむを得ず冷蔵する場合
     - 使いかけやカットしたもののみ(密閉容器+水を張る)
     - 3日以内を目安に使い切る

冷凍保存(加熱後ならOK)

  • 保存方法:加熱してから冷凍(生のままはNG)
  • おすすめ料理:マッシュポテト・コロッケ・ポタージュ
  • 手順
     1. 茹でる or レンジで加熱
     2. 粗熱をとって潰す(または小さく切る)
     3. ラップに包んで冷凍保存(保存袋も可)

じゃがいもの主な品種

  • 男爵
  • メークイン
  • キタアカリ
  • インカのめざめ
  • 北海こがね
  • ヒカル
  • はるか
  • マチルダ

じゃがいもの毒素(ソラニン)と注意点

じゃがいもには、天然の毒素である**「ソラニン」や「チャコニン」**と呼ばれる物質が含まれることがあります。過剰に摂取すると、吐き気・腹痛・めまいなどの症状を引き起こすことがあります。

ソラニンはどこに多い?

  • 芽(発芽部分)
  • 緑色になった皮(光に当たって変色した部分)
  • 収穫後、日光や蛍光灯にさらされたもの

食べるときの注意点

  • 芽は深くえぐるように取り除く
  • 皮が緑色に変色している部分は厚めにカット
  • 保存時は直射日光・蛍光灯を避けて暗所に保管

子ども・高齢者は特に注意

少量でも体の小さな子どもや高齢者では症状が出やすくなるため、芽や緑色の皮はしっかり取り除きましょう。

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現役和食調理師のヒント

加熱してもソラニンは完全には分解されません。必ず取り除いてから調理しましょう。


じゃがいもの栄養素~食品成分表~

じゃがいも 塊茎 皮なし
可食部100g当たり

栄養素蒸し水煮単位
廃棄率50%
エネルギー7671
水分78.880.6g
タンパク質1.91.7g
脂質0.30.1g
食物繊維(総量)3.53.1g
炭水化物18.116.9g
ナトリウム11
カリウム420340
カルシウム54
マグネシウム2416
リン3832
0.60.6
亜鉛0.30.2
0.080.10
マンガン0.120.10
ヨウ素
セレン
クロム12
モリブデン43
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)1
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.10.1
ビタミンK
ビタミンB10.080.07
ビタミンB20.030.03
ナイアシン1.01.0
ビタミンB60.220.18
ビタミンB12
葉酸2118
パントテン酸0.500.41
ビオチン0.40.3
ビタミンC1118
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

じゃがいもは食物繊維・カリウム・ビタミンC/B6がポイント。蒸す=栄養保持、茹でる=口当たり軽めと使い分け、冷まし活用でヘルシーに。

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じゃがいもの英語・漢字表記と発音

  • 「じゃがいも」の漢字は馬鈴薯(ばれいしょ)
     → 馬の首にかける鈴(馬鈴)に似た形から名づけられました。
  • 英語ではpotato(ポテト)。世界中で通じる単語です。
  • 複数形は potatoes(ポテイトウズ) になります。
  • 主にアメリカ英語 / イギリス英語で発音の違いがありますが、どちらも広く理解されています。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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