3月に旬を迎える魚介類一覧|調理師が教える春の食卓を彩る海の幸

3月 旬の魚介類
3月 旬の魚介類
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少しずつ寒さが和らぎ、日差しに春の暖かさを感じ始める3月。 陸上に花が咲き始めるように、海の中にも「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれる、この季節ならではの華やかな魚たちが顔を出し始めます。

和食の調理場でも、3月に入ると桜色の美しい真鯛や、春の文字を持つ鰆(サワラ)、そしてホタルイカなど、お皿の上をパッと明るくしてくれる色彩豊かな海産物が主役へと入れ替わります。

ひな祭りや卒業式など、ご家庭でもお祝いの食卓を囲む機会が多いこの季節。美味しい旬の魚で華やかにお祝いしたいと思う反面、見栄えのする立派な魚をご家庭の台所で一からさばいたり、細かな魚介類を下処理するのは、ただでさえ忙しい時期には大きな負担になりますよね。

この記事では、3月に旬を迎える代表的な魚介類の一覧とあわせて、長年和食の世界で魚と向き合ってきた調理師の視点から「春の魚の美味しい食べ方や選び方のコツ」を分かりやすく解説します。

さらに記事の後半では、「手間のかかる下処理を一切せずに、お祝いの席にぴったりな極上の旬魚を一番手軽に味わう裏技」もお伝えします。 春の訪れを感じる美味しい海の幸を、ご自宅で失敗なく楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

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3月の海が育む「旬の魚」がお祝いの食卓に欠かせない理由

3月が旬の魚介類をご紹介する前に、なぜこの時期の魚が特別で、春の食卓にふさわしいのかをお話しします。

冬の間、深い海でじっと身を潜めていた魚たちは、春の産卵期に向けて水温が上がり始めた浅瀬へと移動してきます。これは「乗っ込み(のっこみ)」と呼ばれ、この時期の魚は産卵に向けてたっぷりと栄養を蓄えているため、脂の乗りが良く非常に美味しいのが特徴です。

特に3月の魚は「見た目の美しさ」が際立ちます。代表格である真鯛は、この時期になると体が鮮やかなピンク色に染まり「桜鯛」と呼ばれ、古くから春の門出を祝う席には欠かせない縁起物として珍重されてきました。また、身がふっくらと柔らかい春の魚は、お刺身はもちろん、春野菜と一緒に蒸し物や椀物にすると、上品な甘みと香りが引き立ちます。

一年で最も食卓が華やぐ3月。それぞれの魚の持ち味を最大限に引き出すプロのコツを知って、春ならではの美味しい時間を満喫しましょう。


3月|旬の魚介類|一覧表

東北農政局旬の食べ物

甲殻類
牡丹海老ぼたんえび甘海老あまえび芝海老しばえび
蝦蛄しゃこ牛海老ブラックタイガー毛蟹けがに
楚蟹ずわいがに鱈場蟹たらばがに蝤蛑がざみ
頭足類
甲烏賊こういか槍烏賊やりいか
蛍烏賊ほたるいか飯蛸いいだこ
海水魚類
鬢長鮪びんながまぐろ赤魳あかかます赤魚鯛あこうだい
あじ甘鯛あまだい玉筋魚いかなご
糸撚鯛いとよりだい虎魚おこぜ笠子かさご
羽多はた黍魚子きびなご金目鯛きんめだい
たい細魚さよりさわら
須萬すま白愚痴しろぐちにしん
飛魚とびうおかつおひいいらぎ
かれい魴鮄ほうぼう本諸子ほんもろこ
むつ眼張めばる目光めひかり
公魚わかさぎ
淡水魚
なまずます虹鱒にじます
ふな田螺たにし
貝類
青柳あおやぎ赤貝あかがい浅利あさり
牡蠣かき平貝たいらがいエッチュウバイ
帆立貝ほたてがいばいはまぐり
北寄貝ほっきがい海松貝みるがい板屋貝いたやがい
その他
海鼠なまこ雲丹うに海苔のり
松藻まつも石蓴あおさ若布わかめ
鹿尾菜ひじき数の子かずのこ
3月が旬の魚介類一覧表

3月の魚介類10選

桜鯛(サクラダイ)

旬の時期
3月〜5月が旬で、産卵前で最も身がふっくらとして脂がのる時期です。桜が咲く季節のマダイは体色が美しい桜色になることから「桜鯛」「花見鯛」と呼ばれ、特に珍重されます。産卵に向けて栄養をたっぷり蓄えた状態です。

主な栄養素
高タンパク・低脂肪で消化吸収が良い魚です。グルタミン酸やイノシン酸などのうま味成分が豊富で、DHA、EPA、タウリン、ビタミンB1、B2、カリウムが含まれています。血中コレステロールを下げる効果が期待できます。

選び方のコツ
体色が鮮やかな桜色で、目の上のウロコ(アイシャドウ)が青く輝いているものを選びましょう。目が澄んでいて、顔が小さく体が太って厚みがあるもの、下腹と尾びれが太っているものは脂がのっています。

おすすめの調理法
刺身、皮霜造りが春の桜鯛の王道です。塩焼き、煮付け、鯛めし、ちらし寿司、湯霜造り(皮の下に旨味があります)、蒸し物など、どんな調理法でも美味しくいただけます。

価格帯
★★☆〜★★★(中級〜高級)天然の桜鯛は高価ですが、養殖物は手頃な価格です。

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鰆(サワラ)

旬の時期
関西では3月〜5月の春が旬とされ、やわらかくあっさりとした淡白な味わいが楽しめます。魚偏に春と書く「鰆」は、まさに春を告げる魚です。関東では冬の「寒鰆」が好まれますが、春のサワラも絶品です。

主な栄養素
赤身魚の一種で、タンパク質が豊富です。DHA、EPA、ビタミンD、ビタミンB群が多く含まれ、血液サラサラ効果や骨の健康維持、疲労回復に役立ちます。トレーニング中の方にもおすすめの魚です。

選び方のコツ
切り身は身が銀色に輝き、透明感があるものを選びましょう。身が締まっていて、血合いが鮮やかなものが新鮮です。サワラは身が柔らかいため、取り扱いに注意が必要です。公式レシピ:鰆の照り焼き(農林水産省)

おすすめの調理法
塩焼き、西京焼き(味噌漬け)が定番です。ムニエル、照り焼き、刺身(新鮮なもの)、白子の天ぷらもおすすめ。春のサワラは脂が控えめなので、あっさりした調理法が合います。

価格帯
★★☆(中級)春は比較的手頃な価格で手に入ります。

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眼張(メバル)

旬の時期
2月〜5月が旬で、「春告魚」として春の訪れを告げる魚です。特に3月〜4月は産卵のため浅瀬に移動してきて漁獲が増え、身が締まって美味しい時期です。メバルという名前は「目が張り出している」ことが由来です。

主な栄養素
高タンパク質・低カロリーで、DHA、EPA、カルシウムが豊富です。コレステロール値の改善に働きかける効果が期待でき、カルシウムは骨ごと食べられる調理をすると効率よく摂取できます。

選び方のコツ
目が大きくて澄んでいるもの、体色が鮮やかなもの(黒・赤・白の種類があります)を選びましょう。身にハリがあり、エラが鮮やかな赤色のものが新鮮です。

おすすめの調理法
煮付けが一番のおすすめです。新ゴボウと合わせると磯魚特有の匂いが気にならなくなります。塩焼き、唐揚げ(小型は骨まで食べられます)、刺身(鮮度の良いもの)、ムニエルも美味しいです。

価格帯
★★☆(中級)比較的手頃な価格で購入できます。

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細魚(サヨリ)

全国的で水揚げされため、旬の時期がずれる
ハラグロイ魚

旬の時期
3月〜5月が旬で、春の高級魚として知られています。細長い体と透き通るように美しい白身が特徴で、上品な味わいが楽しめます。産卵期前のこの時期が最も美味しいとされています。

主な栄養素
高タンパク・低脂肪で、カリウム、ビタミンB12、ビタミンDが含まれています。淡白な白身ながら旨味が強く、消化吸収も良い魚です。

選び方のコツ
身が透き通っていて、銀色に輝いているものを選びましょう。細長い体がまっすぐで、下顎(くちばし状の部分)が折れていないものが新鮮です。目が澄んでいるものを選びましょう。

おすすめの調理法
糸造りの刺身が最高です。細く切った刺身は、見た目も美しく上品な味わいです。塩焼き、天ぷら、唐揚げ、寿司ネタも人気。クセがないのでどんな調理法でも美味しくいただけます。

価格帯
★★★(高級)高級魚として扱われ、価格は高めです。

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初鰹(ハツガツオ)

旬の時期
3月後半〜5月が初鰹の時期です。九州南部から北上を始め、高知では3月後半から、関東では5月頃に「初鰹」として出回ります。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」という俳句で知られる春の風物詩です。

主な栄養素
高タンパク質・低脂肪で、鉄分、ビタミンB6、ビタミンB12、タウリンが豊富です。貧血予防、疲労回復、タンパク質の吸収サポートに効果的。初鰹は脂が少なめであっさりした味わいです。

選び方のコツ
身が赤く鮮やかで、血合いがくっきりしているものを選びましょう。身が締まっていて、ツヤがあるものが新鮮です。初鰹は身が引き締まっているのが特徴です(秋の戻り鰹は脂がのっています)。

おすすめの調理法
たたきが定番です。表面を炙って氷水で締め、薬味(生姜、ニンニク、ネギ)と一緒にいただきます。刺身、カルパッチョもおすすめ。あっさりした味わいなので、薬味や柑橘を添えると美味しさが引き立ちます。(農林水産省:鰹のたたきとは?

価格帯
★★☆〜★★★(中級〜高級)初物として高値がつくことがあります。

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蛍烏賊(ホタルイカ)

旬の食材|ほたるいか
ほたるいか

旬の時期
3月〜5月が旬で、特に富山湾では3月1日に漁が解禁され、春の風物詩となっています。この時期のホタルイカは、濃厚なのに臭みが少なく、とても食べやすいのが魅力です。

主な栄養素
タンパク質、タウリン、ビタミンE、ビタミンB12、銅が豊富です。小さな体に栄養がぎっしり詰まっており、肝(ワタ)も一緒に食べられるため栄養価が高い食材です。

選び方のコツ
身がぷっくりとしていて、ツヤがあるものを選びましょう。透明感があり、目が黒くてはっきりしているものが新鮮です。生のホタルイカは鮮度が命なので、購入したらすぐに調理しましょう。

おすすめの調理法
生のものは2分ほど軽くボイルして食べると、ぷりっとした食感と濃厚な旨みが楽しめます。酢味噌和え、沖漬け、アヒージョ、パスタ、炊き込みご飯もおすすめです。

価格帯
★★☆(中級)旬の時期は比較的手頃な価格で手に入ります。

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芝海老(シバエビ)

旬の時期
しばえびの旬は、産卵明けに身が締まる秋〜春(目安10〜4月)
流通は冬に増えやすく、12月前後は出会いやすい傾向があります。
小ぶりは冬に多く、かき揚げ向き。春はやや大きめが狙い目です。

主な栄養素
高たんぱく・低脂質が特徴(100gで たんぱく質多め、脂質少なめ)。
カリウム・リン・カルシウムなどのミネラルも含まれます。
塩分やコレステロールが気になる人は、食べる量と味付けで調整すると安心。

選び方のコツ
用途でサイズを選ぶ:かき揚げ・天ぷらは小さめ、炒め物は大きめが楽。
生なら透明感があって、頭が黒ずんでいないものが新鮮。
冷凍は霜だらけ・塊を避け、バラ凍結だと使う分だけ取り出せます。

おすすめの調理法
定番は天ぷら・かき揚げ。殻ごと香ばしく、甘みが立ちやすいです。
ほかに唐揚げ・塩ゆで・炒め物も相性◎。火を通しすぎないのがコツ。
洗って水気を拭き、衣・油は高温短時間で仕上げるとベチャつきにくいです。

価格帯
価格は産地・サイズ・生/冷凍で幅がありますが、冷凍は比較的手頃。
目安として、通販例で200g約570円/500g約1,300円/1kg約2,200円前後
送料やグレードで変わるので、比較は1kg単価で見ると分かりやすいです。

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浅利(アサリ)

3月の季語「あさり」|潮干狩りで親しまれる春の味覚
3月の季語「あさり」。春の浜辺を象徴する貝で、味噌汁や炊き込みご飯に。

旬の時期
3月〜5月が旬で、特に潮干狩りシーズンの春は身が太ってふっくらとして美味しい時期です。産卵前で栄養を蓄えており、旨味成分が最も多くなります。

主な栄養素
タウリン、鉄分、ビタミンB12、亜鉛が豊富です。貧血予防、肝機能の向上、疲労回復に効果的。タウリンは血中コレステロールを下げる働きもあります。

選び方のコツ
殻がしっかり閉じていて、持ったときに重みがあるものを選びましょう。殻の模様がはっきりしていて、ツヤがあるものが新鮮です。軽いものは身が痩せている可能性があります。

おすすめの調理法
酒蒸し、味噌汁が定番です。ボンゴレ(パスタ)、深川飯、クラムチャウダー、バター焼きもおすすめ。砂抜きをしっかりすることが美味しく食べるポイントです(塩水に3時間程度)。

価格帯
★☆☆(手頃)春の潮干狩りシーズンは手頃な価格で手に入ります。

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蛤(ハマグリ)

旬の食材|はまぐり
はまぐり

旬の時期
2月〜4月が旬で、特に3月のひな祭りには欠かせない食材です。産卵前のこの時期は身が太ってぷりっとして、旨味が強くなります。「良縁」を象徴する縁起物としても親しまれています。

主な栄養素
タウリン、鉄分、ビタミンB12、亜鉛、カルシウムが豊富です。肝機能の向上、貧血予防、疲労回復に効果的。アサリよりも大きく、旨味成分も豊富に含まれています。

選び方のコツ
殻がしっかり閉じていて、持ったときにずっしりと重いものを選びましょう。殻の表面にツヤがあり、模様がはっきりしているものが新鮮です。軽いものは身が痩せています。

おすすめの調理法
焼きハマグリ、お吸い物(ひな祭りの定番)、酒蒸し、バター焼きが人気です。パスタ、炊き込みご飯もおすすめ。アサリと同様に砂抜きをしっかりすることが大切です。

価格帯
★★☆(中級)アサリより高めですが、春は比較的手頃に手に入ります。

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若布(ワカメ)

旬の魚介類|わかめ
わかめ

旬の時期
2月〜4月が旬で、特に春の「新ワカメ」は柔らかく、磯の香りが豊かで美味しい時期です。この時期のワカメは色が鮮やかな緑色で、食感もシャキシャキとしています。

主な栄養素
食物繊維、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素、ビタミンK、フコイダン(ネバネバ成分)が豊富です。腸内環境を整え、骨の健康、免疫力向上、血液サラサラ効果が期待できます。

選び方のコツ
生ワカメは色が鮮やかな緑色で、肉厚なものを選びましょう。乾燥ワカメは色が濃く、香りが良いものが良品です。生ワカメは鮮度が命なので、購入したらすぐに調理しましょう。

おすすめの調理法
味噌汁、酢の物、サラダが定番です。しゃぶしゃぶ(生ワカメをサッと湯通し)、ワカメご飯、ナムル、和え物もおすすめ。生ワカメは湯通しすると鮮やかな緑色に変わります。

価格帯
★☆☆(手頃)春の新ワカメは生で手頃な価格で手に入ります。

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ご家庭で「一番美味しい旬の魚」を手軽に味わうなら

ここまで3月の旬の魚介類をご紹介してきました。桜色に染まった真鯛や初鰹など、春の魚はお祝いの食卓をパッと華やかにしてくれます。

しかし、ひな祭りや卒業祝いなど、ご家族のイベントが多くて慌ただしいこの時期に、見栄えのする立派な魚をご家庭の台所で一からさばいて準備するのは、想像以上に時間と手間がかかるものです。

お祝いの席の準備に追われることなく、最高の状態で春の魚を味わうなら、毎月その時期に一番美味しい地魚が下処理済みの状態で届く定期便を活用するのが確実です。

専門の調理師が目利きしてさばいた旬の魚が真空冷凍で届くため、面倒な下処理や生ゴミの片付けは一切不要です。解凍するだけで、高級店のような極上の味をご自宅のお祝いの席に手軽に並べることができます。

実際に届いた魚を調理して食べてみた感想をまとめています。春の美味しい魚を手軽に味わいたい方は、ぜひ参考にしてください。

全国の春の美味しい旬魚について:全国漁業協同組合連合会 プライドフィッシュ
・ひな祭りなど春の行事食と魚について:農林水産省 ひなまつり
・春に旬を迎える二枚貝(アサリ・ハマグリ等)の安全と貝毒について:二枚貝等の貝毒のリスク管理に関するガイドライン

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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