セレウス菌食中毒(Bacillus cereus food poisoning)

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起因菌

  • セレウス菌
 

症状

発生期間6月~10月
潜伏期間嘔吐型 30分~5時間
下痢型 8時間~16時間
症状下痢
腹痛
吐き気
嘔吐
備考幼児、高齢者はこの菌に対する感受性が高い
 

汚染源

  • 土壌や水など自然界に広く分布する
  • 野菜や穀物などから頻繁に検出される
  • 嘔吐型は米と関係したものが多い
  • 下痢型は肉、野菜、魚などの食品に多い
 

特徴

  • 嘔吐型、下痢型と2種類ある
  • 両型ともに熱に強い
  • 気温の高い6月~10月に多発する
 

予防

  • 作り置き、常温保存は避ける
  • 余ったものは冷蔵庫で保存する
  • 食材を良く洗浄する
  • 調理器具、手指などの徹底洗浄
  • 調理した食品はすぐに食べる
 

まとめ

  • 嘔吐型、下痢型の2種類ある
  • 熱に強いので加熱しても死滅しない
  • 作り置きや常温保存はしない
  • 残った場合は速やかに冷蔵庫で保存する
  • 焼き飯やピラフに多い
 

備考

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

ボツリヌス食中毒(Botulism food poisoning)

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起因菌

  • ボツリヌス菌
 

症状

発生期間通年
潜伏期間2時間~8日
(通常12~36時間)
症状神経麻痺
複視
口の渇き
腹部膨張感
呼吸困難
備考A~G型があり中毒を起こすのはA、B、E
 

汚染源

  • 土壌や動物の糞便が汚染源
  • E型は河川の泥土
  • 東北や北海道で漁獲される魚類の内臓からも検出
  • はちみつ
 

特徴

  • A型は熱に強い 100度で360分で死滅
  • E型は熱に弱い 100度で5分で死滅
  • A、B型の致命率は70%
  • E型の致命率は30%
  • 非常に猛毒
  • 3.3度の低温でも増殖する
 

予防

  • 缶詰やレトルト食品の保存方法を守る
  • 缶詰やレトルト食品は開封後は早く食べる
  • 自宅にて瓶詰めや真空パックなどをする場合は洗浄、殺菌をする
  • 食事の直前に80度で30分または100度で数分加熱する
  • 1歳未満の乳児にはボツリヌス菌に汚染の疑いのあるものは与えない
 

まとめ

  • A~Eの型があり、中毒になるのはA、B、E
  • ABは熱に強く致命率は70%
  • Eは比較的熱に弱く致命率は30%
  • 1歳未満の乳児には特に注意する(はちみつなど)
  • 缶詰やレトルト食品は保存期間や保存方法を正しく守る
  • 缶詰やレトルト食品は開封後は早めに食べきる
 

備考

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

病原大腸菌食中毒(Pathogenic E. coli food poisoning)

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起因菌の名前

  • 腸管病原性大腸菌 (EPEC)
  • 腸管侵入性大腸菌 (EIEC)
  • 腸管毒素原性大腸菌 (ETEC)
  • 腸管出血性大腸菌 (EHEC)
 

症状と潜伏期間

発生期間6~10月
(8月が最も多い)
潜伏期間10時間~15時間
症状頭痛
嘔吐
下痢
腹痛
発熱
血便
備考O-157は腸管出血性大腸菌である
 

汚染源

  • 生野菜
  • 牛肉
  • 水産食品
  • 井戸水
  • 保菌者、家畜などの糞便
 

特徴

  • 人や動物の腸内に生息する細菌でほとんどは病原性を持たない
  • 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅します
  • 野菜を除菌するには、100℃の湯で5秒間程度茹でると効果的
  • 大きく分けて4種類の病原大腸菌がある
  • 腸管病原性大腸菌=サルモネラに似た症状でサルモネラよりも軽い
  • 腸管侵入性大腸菌=赤痢菌に似た症状で激しい急性大腸炎を起こす
  • 腸管毒素原性大腸菌=下痢を起こすが発熱はなく、症状は軽い
  • 管出血性大腸菌=O-157などで幼児や高齢者は死に至ることがある
 

予防方法

  • 熱帯地方に旅行する場合は生水、生の魚介類を食べないようにする
  • 井戸水などに注意する
  • 人から人へ二次感染があるので手洗いを徹底する
  • 生肉を食べない
  • 良く加熱する
  • 野菜を良く洗う
 

まとめ

  • 75℃で1分間以上の加熱で死滅
  • 野菜は100℃の湯で5秒間程度茹でる
  • 手洗いの徹底
  • 調理器具の除菌、消毒を徹底する
  • 牛肉などの生食は避ける
 

備考

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

エルシニア食中毒 (Yersinia food poisoning)

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起因菌

  • エルシニア・エンテロコリチカ
 

症状

発生期間通年
潜伏期間2時間~3時間
(長い時で10日)
症状頭痛
腹痛(下痢)
湿疹
発熱
備考幼児は感受性が高い
(下痢が主体)
 

汚染源

  • 肉類(特に豚)およびその加工品
  • 生野菜に付着した菌
  • 水を介して汚染された食品
  • ペットや害獣からの二次汚染
 

特徴

  • 熱に弱い 加熱調理で容易に死滅する
    (65℃以上で30分加熱)
  • 低温(5度以下)や酸素が少ない水中での生存性が高い
 

予防

  • 生肉や加熱不十分の肉は食べない
    (肉類は良く加熱する)
  • 調理器具の洗浄、除菌
    (生肉を切ったまな板や包丁などはよく洗うか別にする)
  • 冷蔵庫での長期保存を控える
  • 生水はなまないようにする
 

まとめ

  • 食肉は良く加熱する(生肉は食べない)
  • 二次感染を防ぐため調理器具は洗浄、除菌を徹底する
  • 冷蔵庫での長期保存はしない
  • 冷蔵庫を過信しない
 

備考

 

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

カンピロバクター食中毒(Campylobacter food poisoning)

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起因菌

  • カンピロバクター・ジェジュニ
  • カンピロバクター・コリ

 

 

症状

発生期間6~10月
(8月が最も多い)
潜伏期間30時間~6日
(通常2~4日)
症状頭痛
嘔吐
下痢
腹痛
発熱
めまい
備考潜伏期間は他の食中毒より長い
 

汚染源

  • 牛、豚、鶏などの家畜
  • ペット、野鳥、野生動物など
  • 不十分な殺菌による井戸水
  • 湧水及び簡易水道水
  • 包丁やまな板などからの二次感染
 

特徴

  • 鶏、牛、豚、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌している
  • 特に鶏肉の保有率が高い
  • 比較的少ない菌量(100個程度)で感染が成立する
  • 低温に強く、4度でも長期間生存するので冷蔵庫の過信に注意する
  • 熱や乾燥に弱い
 

予防

  • 食肉を十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)する
  • 生食、加熱不十分な鶏肉料理を避ける
  • 食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存する
  • 食肉を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱う
  • 食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行う
 

まとめ

  • 熱、乾燥に弱い菌である
  • 低温には強く4度でも長期生存する
  • 比較的少ない菌量(100個程度)で感染する
  • 菌の保有率は鶏肉が多い
  • ペットから感染することがある
  • 二次感染に注意する(まな板、包丁など)

ウエルシュ菌食中毒(Clostridium perfringens food poisoning)

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起因菌

  • ウエルシュ菌
 

症状

発生期間暖かい時期に多い
(3~11月)
潜伏期間8時間~22時間
症状下痢
腹痛
備考死に至ることはほとんどない
 

汚染源

  • 本来は土壌細菌だが、人や動物の腸内にも存在する菌
  • 常温で数時間放置した食品で増殖する
 

特徴

  • 熱に強い 100度で1~4時間にも耐える
  • 10度以下の低温では増殖しない
  • 大型の事故になりやすいので加熱食品の保存に注意する
  • 調理済みの食品を常温に放置する事でウエルシュ菌は増殖する
 

予防

  • 調理済み食品を急冷することで予防できる
  • 高温保存するとよいが食品の味や食感などが失われる
  • 調理済みの食品を次の日に持ち込まない
    (翌日に残す時は常温では保存しない)
  • 加熱食品の管理を徹底する
 

まとめ

  • 熱に強い
  • 低温では増殖しない
  • 調理した物の管理を徹底する
  • 肉類、魚介類、野菜を使用した煮込み料理が原因になることが多い
  • 大量に作り置きする場合は細心の注意が必要
  • 室温に2時間以上放置しない
  • 前日調理は避ける
 

備考

 

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

ブドウ球菌食中毒 (Staphylococcal food poisoning)

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起因菌

  • 黄色ブドウ球菌
  • エンテロトキシン
 

症状

発生期間通年
潜伏期間1時間~6時間
症状下痢
腹痛
吐き気
激しい嘔吐
備考数時間で回復し、死に至ることはない
 

汚染源

  • ブドウ球菌が増殖する際に作られる毒素「エンテロトキシン」により発症する
  • 人の鼻や咽喉粘膜に菌が存在する
  • 人の手指の化膿巣に存在する
 

特徴

  • 黄色ブドウ球菌は熱に弱い
  • 黄色ブドウ球菌の増殖温度は5~47.8℃と広範囲
  • 黄色ブドウ球菌は10%の塩分濃度でも増殖できる
  • 黄色ブドウ球菌が増殖するときにつくられる「エンテロトキシン」が原因で食中毒を起こす
  • エンテロトキシンは熱に強い(218~248℃で30分の加熱が必要)
 

予防

  • 手指の徹底洗浄
  • 食品に素手で触らない
  • >帽子やマスクを着用する
  • 手指に傷がある場合は調理しない
  • 素手でおにぎりを作らない
 

まとめ

  • 黄色ブドウ球菌が増殖するときに作られる毒素「エンテロトキシン」が原因
  • 黄色ブドウ球菌をつけいないことが大切
  • 黄色ブドウ球菌自体は熱に弱い
  • エンテロトキシンは熱に強い
  • 人の手を介して汚染されることが多い
 

備考

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

リステリア食中毒(Listeria food poisoning)

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起因菌

  • ルステリア・モノサイトゲネス
 

症状

発生期間通年
潜伏期間1日~数週間
症状発熱
嘔吐
頭痛
備考免疫機能低下時に感染する
 

汚染源

  • 土壌の中で生息している環境汚染菌である
  • 食肉加工品
  • 魚介類加工品
  • 乳製品
  • 冷蔵庫に長期保存され、加熱せずに食べるもの
 

特徴

  • 熱加熱により死滅する
  • 4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖する
  • 重症化すると致死率が高い
  • 健康な成人では非常に多くのリステリアを摂取しなければ発症しない
  • 妊婦、高齢者や免疫機能が低下している方は発症しやすい
 

予防

  • 賞味期限や保存方法を守る
  • 開封後の食品は速やかに食べるようにする
  • 生野菜は良く洗う
  • 加熱調理して食べる
 

まとめ

  • 熱加熱により死滅
  • 4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖する
  • 健康な成人では発症しにくい
  • 免疫力が低下している場合は発症しやすい
  • 賞味期限や保存方法を守り開封後の食品は速やかに食べる
  • 食べる前に十分に加熱する
 

備考

「食中毒」一覧表

サルモネラ菌ボツリヌス菌
腸炎ビブリオセレウス菌
病原大腸菌ノロウイルス
ウエルシュ菌フグ中毒
カンピロバクター貝毒
エルシニア植物性自然毒
リステリア科学性食中毒
ブドウ球菌 

サルモネラ食中毒(Salmonella food poisoning)

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起因菌

  • サルモネラ属菌
 

症状

発生期間一年中(7~9月が多い)
潜伏期間6時間~72時間
(通常は12~24時間)
症状下痢
腹痛
吐き気
血便
発熱
備考幼児、高齢者はこの菌に対する感受性が高い
重症の場合は死に至ることもある
 

汚染源

  • ペット、鳥類、爬虫類、両生類などが保菌している
  • 鶏、牛、豚の腸管内では常在菌として保有している
  • ハエ、ゴキブリ、ネズミなども感染源
  • 手洗いが十分な事により、汚染された手から接触感染
  • 患者が触れたドアノブやテーブルなどから、間接感染
 

特徴

  • 日本では腸炎ビブリオと並び代表的な食中毒原因菌
  • 人や動物の消化管に生息する腸内細菌の一種
  • 熱に弱い 60度で20分 65度で3分で死滅する
  • 自然の土や水では比較的長く生きる
 

予防

  • 肉や卵の原材料の汚染に注意する
  • 生肉を食べるのを控える
  • 肉や卵を扱った手や調理器具の消毒、洗浄を徹底する
  • 加熱後の二次感染に注意する
  • 消毒用エタノールに弱い(市販品のほとんどが有効)
 

まとめ

  • サルモネラ菌は熱に弱いので十分に加熱する
  • 手洗いや調理器具の除菌を徹底する
  • 肉や卵を扱った手や調理器具はその都度洗浄、消毒する
  • 害虫を寄せ付けないようにする
  • ペットを室内で飼っている場合は注意する
  • 生食するときには十分に注意する
  • すぐに食べないときは冷蔵庫で保管する

腸炎ビブリオ食中毒(Vibrio parahaemolytic poisoning)

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起因菌の名前

  • 腸炎ビブリオ
 

症状と潜伏期間

発生期間6~10月
(8月が最も多い)
潜伏期間8時間~15時間
12時間程度が最も多い
症状下痢
胃けいれんのような上腹部の痛み
重症の場合は脱水症状
備考コレラに似た症状で死者は少なく、致命率は低い
 

汚染源(一次汚染~二次汚染)

  • 生食する魚介類からの感染が多い
  • 寿司や刺身からの感染が圧倒的に多い
  • 加工品が汚染されていることもある
  • 海水温が20℃以上になると海水中で大量に発生する
  • まな板や布巾、調理器具からの二次汚染
 

特徴

  • 最も発育するのは3%の海水
  • 増殖スピードが速い
  • 海水温が20度以上になると海水に大量に発生する
  • 海水20度時に獲れた魚には菌がついていると考えてよい
  • 魚介類は水揚げから流通過程で増殖している可能性が高い
  • 乾燥に弱く、低温(4度以下)では繁殖しない
  • 摂取菌量が少ない時は胃酸によって死滅する
    (摂取菌量が多い時に食中毒になる)
 

予防方法

  • 熱に弱いので加熱調理する
  • 乾燥に弱く、低温(4度以下)では繁殖しないので冷蔵庫で保存する
  • 魚介類を流水でよく洗い流すのも効果的
  • 2次感染を防ぐため、調理器具、ふきんなどを乾燥、消毒
  • 調理から摂取まで短時間で済ませる方が良い
 

まとめ

  • 腸炎ビブリオは熱に弱いので十分に加熱する
  • 調理器具、ふきんの除菌を徹底する
  • 乾燥低温に弱いので冷蔵庫、冷凍庫は望ましい
  • 生食するときは十分に注意する
  • 調理した後はすぐに食べるか、冷蔵庫で保存する
  • 家庭にたどり着いた時には増殖している可能性がある
  • 流水で洗い流すと効果的